三菱自、三菱重工と技術支援契約を結ぶ

2013年12月15日 13:07

 11日、三菱自動車<7211>は自社の筆頭株主である三菱重工業<7011>と技術支援契約を結んだことを発表した。三菱自動車は新車の研究開発を行う際や、品質の向上を目指すために三菱重工業から技術供与を受けることとなる。三菱自動車と三菱重工業はこれまでも、共同で技術開発を行ったことがあるものの、今回のこの技術支援契約を結んだことにより、その協力関係をさらに強固なものとする。

 三菱自動車が三菱重工業から技術支援を受ける分野は、「両社の保有技術、知的財産権を活用できるもの」であったり「次世代製品開発に向けた先行技術」などであり、これらの具体的な内容に関しては、今後決定されていく模様。

 三菱自動車は11月に、2014年度から16年度までの3年間を対象とする新たな中期経営計画「ニューステージ2016」を発表している。そこでは電気自動車(EV)やスポーツ用多目的車(SUV)、ピックアップトラックといった車種に対してよりいっそうの力を注ぎこむ商品との位置づけを行っており、三菱自動車、三菱重工業の2つの会社の協力関係も、こういった分野における新車開発に活かされることとなるとみられる。

 現在、三菱重工業は三菱自動車の発行済み株式の約15%を保有しているが、中期経営計画期間中にはそれを20%以上にまで引き上げを行い、支援関係を強める予定だ。

 11日に発表された三菱重工業との技術支援契約は、三菱自動車とそのグループ会社で行われる新車開発および、製造される製品すべての品質を向上させるために取り交わされたものであり、具体的には「両社の保有技術、知的財産権を活用できるもの」「両社のバリューチェーンの改革、改善に貢献できるもの」「両社の技術の組み合わせにより、シナジー効果が高められるもの」「次世代製品開発に向けた先行技術など、両社の事業に直結したもの」「両社の品質管理システムの向上に資するもの」といった5つの分野から、三菱自動車、三菱重工業の両方のニーズやシーズがマッチするか検討・協議を行い、その上で選定されたものが対象となる予定だ。(編集担当:滝川幸平)