今や低年齢層から高年齢層まで、その利用者を広げつつあるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)だが、2013年は各サービスそれぞれの明暗が分かれた年だったのではないだろうか。
まずはFacebook(フェイスブック)だが、12年を指して「Facebookの年」と言わしめるほど急激にその利用者数を伸ばしたこちらのサービスは、その年の5月に鳴り物入りでIPO(株式公開)をはたしたものの、その株価は公開時に設定された38ドルからどんどん下がり続けた。しかし13年の7月31日の米株式市場ではとうとう、それまで続いていた株価の低迷期からようやく抜け出し、IPOの設定価格を越えることとなった。こうした株価上昇の要因として、モバイル広告の好調さが挙げられる。
そして短文投稿サイト運営大手のTwitter(ツイッター)も、13年11月7日にニューヨーク証券取引所(NYSE)にて株式上場をはたし、初日はIPO価格を73%上回る水準で取引を終了した。その株価は12月に入っても高騰を続けており、この好調さはまだ続くとみられ、市場の期待も大きい。
こうしてソーシャル・ネットワーキング・サービスの双璧とも言える2つのサービスは、良い形で1年を締めくくることが出来そうな気配である。
しかしその一方、国内のソーシャル・ネットワーキング・サービス、GREE<3632>、DeNA<2432>、mixi<2121>はというと、業績が悪化し、それを理由にGREEは10月に200人の希望退職者を募ることとなった。
こうした業績不振から脱却するためにも、GREEやDeNAはスマートフォン上でのネイティブアプリケーションの収益拡大、そして他分野への投資を通じて事業の多角化を急ぐ。
そしてmixiに関しては、新しく発表したアプリの好調により、株価を戻しつつあるものの、この好調さが長期にわたって継続的に続くかどうかはまだ分からない。
そして13年、その業績を好調に伸ばしたサービスと言えば、やはりLINEではないだろうか。11月に発表した13年第3四半期(7~9月期)の業績は、グループ連結売上額で191億円、前四半期比48.0%の増加。うちLINE事業の売上高は99億円だった。その99億円のうち、60%がゲーム課金によるものだった。
まだまだ拡大が予想されるソーシャル・ネットワーキング・サービスだからこそ、各サービスが今後どのような道行きを辿って行くのか、これまで以上に注目が集まっている。(編集担当:滝川幸平)