趣味の多様化や維持費の問題などから、若者のクルマやバイク離れが近年では話題に取り上げられることも多くなった。現在、日本全国での、二輪車の保有台数は約1200万台で、ここ6年ぐらいで頭打ちになっている。そのうち原付1種(原チャリ)が約690万台を占め、市民の足として活躍し、軽二輪(125~250cc以下)や小型二輪(250cc超)では、趣味としての用途が多い。手軽なスクーターから、高価なリッターバイクを求める層まで幅広いニーズがあるのが日本のマーケットの特徴ともいえる。
全国軽自動車協会連合会の資料によると、2013年1月~11月のまでの新車販売台数は、軽二輪(126~250cc)で、5万1542台(前年同期比121.9%)。小型二輪(251cc~)では約6万659台(前年同期比106.7%)となった。特に川崎重工<7012>の軽二輪においては、204%近く増加している。その理由としては、他の3社と比べて、50ccクラスのモデルを発売せずに、126~400ccクラスのラインナップを充実させていること。それに今年の8月より、中国での二輪車販売を開始したことなどがあげられる。
同時期の中古車販売台数では、累計16万299台となり、前年比101.9%と、こちらも若干ながら増加している。新車が良いに決まっていると思われるだろうが、現行のフューエルインジェクション車よりも、排ガス規制前の、ハイパワーモデルだったキャブレター車を求めるユーザーも多く、未だにその人気は衰えておらず、高値で売買されている。
二輪車の需要は増加したが、これは四輪車でも同様で、景気回復が見込まれたことや、消費者マインドを喚起させるニューモデルの投入が後押しした。さらには、2014年4月に実施される増税を見越しての、駆け込み需要もあると考えられる。二輪車は渋滞での移動手段としても優れていて、また燃費の良さ、環境にも優しいといったことでも見直されてきている。さらにモーターを動力とした電動バイクも稼働してきており、二輪車先進国としての巻き返しを期待したい。(編集担当:鈴木博之)