リーズナブルな輸入バイクKTM390DUKEの秘密

2013年12月14日 17:35

KTM390DUKE

125ccクラスのボディに400ccエンジンを搭載しているので、街乗りでも軽快でパワフルに走れる

 KTMというバイクメーカーをご存知だろうか。二輪レースの最高峰であるモトGPや、モトクロスなどで、オレンジカラーのバイクが活躍しているのを見た人もいるだろう。KTMは半世紀前に誕生したオーストリアのメーカーで、大自然豊かなオーストラリアではなく、音楽の都ウィーンが首都のオーストリアだ。

 この前、閉幕した東京モーターショーで、海外の2輪メーカーはKTMとBMWの2社のみが出展していた。その中でもKTMの「390DUKE」がちょっとした話題になった。それは価格が安いということ。国内メーカーの400ccクラスのバイクは、50~80万円台で販売されている。ところが、この「390DUKE」は希望小売価格が54万9000円と、なんと国産バイクと比較しても最安値に近いものなのだ。

 その低価格の秘密の1つは、同シリーズである「125DUKE」「200DUKE」と共通パーツを使っていること。フレームやタイヤ、ブレーキなど多くのパーツが共通となる。乱暴な言い方をすれば、125ccのバイクに400ccのエンジンを積んでいるということだ。最高出力は44psと、国産のスポーツモデルと比べるとちょっと非力。ただ、車重が139kgなので、国産の200kg前後と比べると、大人1人ほど軽い。そのため単気筒で、パワーがそれほどなくても、軽快でバイクを自由に操れる楽しさを味わえるのだ。

 それと、もう1つの理由は、生産拠点をインドにしたこと。ちなみに「125DUKE(47万円)」「200DUKE(51万3450円)」「390DUKE(54万9000円)」となり、排気量が違っても、それほど価格は変わらない。ただ、本国オーストリア生産となる「690DUKE(84万7300円)」から上のクラスは価格が急に高くなっている。

 リーズナブルな「390DUKE」だが、スポーツモデルだけに装備は立派だ。WP製のサスペンションや、BYBRE製のブレーキ、ボッシュ製ABSを採用するなど、上級モデルに搭載されるパーツが使われている。ちなみにBYBRE(バイブレ)とは、ブレンボのOEMで、インドで生産しコストダウンを図ったもの。そのクオリティはブレンボそのものだ。最近では、国内メーカーでも、インドで生産しているのもあり、クオリティに関しては心配いらないだろう。

 当初2013年の発売を予定していたのだが、エンジンパーツの一部見直しなどで、2014年4月の発売予定となる。ただ、アベノミクスによる、最近の円安相場によっては、価格の改定があるかもしれない。

 海外メーカーのバイクというのは、高性能で高価格というイメージがあったが、この「KTM390DUKE」が、高性能でも低価格という、今までの概念を覆してくれるモデルケースとなることは確かだろう。(編集担当:鈴木博之)