全長×全幅×全高4643×1940×1167mm、ホイールベース2730mmのボディに、4.6リッターV型8気筒DOHCエンジンに加えてリアとフロントにモーターが備わりエンジンをアシストする。そのシステム総合出力は887psに達し、総トルクは81.6kg.m(800Nm)に及ぶ。(Photo:Porsche Japan)
2013年、ポルシェのニュースはこのスーパースポーツに尽きる。9月のフランクフルトショーで市販モデルを公開した「ポルシェ918スパイダー」だ。11月の東京モーターショーで「ジャパンプレミアムとして展示されるか」と密かに期待していたマシンである。
このクルマは世界918台限定のプラグインハイブリッド(PHV)スポーツで、ポルシェ・レーシングチームの技術者と市販車のメカニカルスタッフが共同で設計開発、製造まで行なうという。既に欧州ではデリバリーが始まっているというが、918台はすべて完売している。
パワーユニットの構成は、4.6リッターV型8気筒DOHCエンジンのスペックから紹介すると、最高出力608ps(447kW)/8700rpm、最大トルク51.0kg,m(500Nm)/6500rpm。これだけで超弩級のエンジンだが、リアアクスルには156ps(115kW)のフロントに129ps(95kW)のモーターが備わりエンジンをアシストする。このパラレル型PHVシステムの総合出力は887psに達し、総トルクは81.6kg.m(800Nm)に及ぶ。
搭載する駆動用バッテリーはリチウムイオン電池(6.8kWh)で、エンジンパワーに頼らず最大距離30kmまでのEV走行が可能で、モーターだけで0-100km/hを7秒でクリア、そのまま時速150km/hの走行までカバーするEV性能を備えたという。その結果、33.0km/リッターという驚くべき好燃費を実現しているらしい。
このPHVの充電は付属のポルシェ・ユニバーサルチャージャー(AC)で行ない、ドイツの230 V家庭用電源なら駆動用バッテリーを4時間以内でフル充電できる。また日本で200Vの電源を使用した場合は約2.5時間で急速充電が可能だという。
こんなスーパースポーツにPHVをセットすると相当な重量なりそうなものだが、車両重量は1750kgと軽い。例えば、レクサスのハイブリッドGS450hの1820-1860kgと比較すればその軽さが分かるはず。その秘密は車両骨格を構成するカーボンファイバーモノコックにある。
ちなみにボディサイズは全長×全幅×全高4643×1940×1167mm、ホイールベース2730mm。トランスミッションは2ペダルの7速DCT(PDK)。タイヤは前265/35ZR20、後325/30ZR21をマグネシウムホイールに装着する。
既に918台は完売と記したが、このモデルの車両価格は8500万円。過去の904カレラGTSや2003年のカレラGTなどのように、ポルシェにとって歴史的マイルストーンとして名を刻むモデルとなるのだろう。(編集担当:吉田恒)