モノにするのが必須条件、三菱自動車再建の中期計画

2014年01月02日 13:31

Outlander

三菱の得意分野、クロスオーバーSUV+EVを融合した「アウトランダーPHEV」の最上級グレードGプレミアムパッケージ

 2013年、三菱自動車は2014年度から2016年度までの3年間の中期経営計画を発表している。2014年度からの3年間、これまで強化してきた経営基盤をベースに、更なる成長を目指す。三菱自動車が得意とするピックアップトラックやクロスオーバーSUV系車種を戦略商品とし、環境技術や安全対策技術に対するニーズにも確実に応えていく。そして、アジア新興国市場の中長期的な成長力に対応した商品開発がポイントだとする提言を発表した。

 このため、「戦略商品投入による売上高の増大」「三菱自動車らしさの追求」「アセアン地域の生産体制強化」「新興国に強みを持つSUV系ブランドの確立」「協業を通じた経営リソースの有効活用」を基本方針として、いくつかの主要施策に取り組むという。

 三菱自動車の売上の大半を占めるピックアップトラックやクロスオーバーSUV系を戦略商品とし、2014年度/2015年度に相次いで新型車を投入する予定だという。また、新型「RVR」、新型「パジェロ」や、プラグインハイブリッド・EV車両の技術開発なども進め、戦略商品・技術を2015年度以降、市場に投入していく予定だ。2016年度、同社の2013年度販売見通しの30%増となる143万台を目標とするという。

 同社は、自動車開発製造で「環境への貢献」「走る歓び」「確かな安心」をテーマとしており、グローバルレベルで要求される環境問題をクリアするために、EVのリーディングカンパニーとして2020年までにEV比率を20%に高める。同時に、走行性能と環境性能を両立する次世代エンジンの開発を進め、同社が得意とする四輪駆動の統合制御技術、先進予防安全技術などの進化、展開車種の拡大目指す。

 また、これまで以上に新興市場での事業強化を進め、アセアン、中国、ロシアで新工場の立上げや合弁会社での生産を開始。アジアを中心とした新興市場における収益の拡大を推進するという。とくにアセアン地域では、タイ、インドネシアを中心に事業の発展を目指す。次いでフィリピンを前出2国に続く中核市場と位置付け、各国の需要動向に応じた生産・販売を行なえる体制を築いくとも。

 グローバル戦略上自動車業界で外せない北米市場では、韓国メーカーなどと共同で新車種の投入や広告宣伝の強化などで販売網を活性化させる。米国工場における海外向け輸出車両の生産を行うことで稼働率向上を図るという。同時に、日本では日産自動車との軽自動車の企画・開発合弁会社であるNMKVを通じて、軽自動車事業の更なる発展を目指す。

 三菱自動車再生には、企業倫理委員会の「信頼回復活動についてのこれまでの活動の取りまとめと、それに関する評価・提言など」の答申を遵守しながら、これら施策をすべてモノにすることが必要十分条件である。(編集担当:吉田恒)