自民党は第81回党大会で26年度の運動方針を決めた。「靖国神社への参拝を受け継ぐ」としているほか、憲法改正について「主権在民、平和主義、基本的人権の尊重の基本原理を継承しつつ、時代に即した現実的改正を行う」とし、「自民党の憲法改正草案への理解を深め、国民全体として憲法改正に向かう機運を高めるため、全国で憲法改正に関する対話集会を行う」。
また、安全保障に関しては「昨年創設された国家安全保障会議(日本版NSC)を外交・安全保障政策の司令塔とし、日本の領土・領空・領海、国民の生命と財産を断固として守り抜く」との強い姿勢を見せた。
また、外交では「日米同盟をさらに強化する」とし「これを基軸に、価値観を共有するアジア太平洋地域各国との連携を深め、平和の維持に努める。また地域の中で経済、文化交流などの分野でも先導役として貢献していく」。在日邦人の保護や国際社会への情報発信も強化していくとしている。
野党から「法の廃止法案を国会に提出して対抗していく」と批判の強い「特定秘密保護法」については「国民の理解を得るため(法の必要性など)丁寧に説明していく」とした。
教育では「子どもが自虐史観に陥ることなく日本の歴史と伝統文化に誇りを持てるよう、教科書の編修・検定・採択において必要な措置を講じ、各手続きを積極的に公表させる」とし「心のノートを活用した道徳教育を充実させ、道徳教育の教科化を目指す」と、安倍・石破カラーを色濃く反映した内容になった。
エネルギー政策では「原発の安全性を原子力規制委員会の専門的判断に委ね、安全と判断された原発の再稼動について国が責任をもって、地方自治体に理解が得られるよう最大限の努力をする」とした。
また、「エネルギー供給構造の多様化を図る」として、太陽光、風力、小水力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーの導入拡大にとりくむことをあげたが、『原発に依存しない社会の実現』や『原発依存度を下げる』などの文言は入っていない。
政治制度改革では「衆議院は比例定数30の削減を行い、多様な民意反映をより可能にする抜本的変更を実現する」とし、参議院については「平成28年の選挙までに抜本的な制度改革の選挙制度改革の実現を目指す」とした。
普天間飛行場の移設については「沖縄県民の心情を慮り、その声によく耳を傾け、沖縄の負担軽減に全力をあげる」としている。名護市辺野古への代替施設建設計画が変わることはない。あくまでも、この計画の遂行と並行して、県民の負担軽減に全力を挙げるという。(編集担当:森高龍二)