【今週の振り返り】海外要因に振り回されて342円も下落した週

2014年01月25日 20:19

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アメリカ要人発言、スイス・ダボス会議、中国PMI悪化、アルゼンチンと南アフリカの通貨不安、豪ドルの急落と、世界六大陸全てからむ

 3連休明けの21日のNYダウは44ドル安。ベライゾン、ジョンソン&ジョンソン、トラベラーズの決算内容は市場予測を上回ったが「先行きの収益の不透明感」で下落。前週のゴールドマンサックスの減益決算が尾を引いたり、朝のウォールストリートジャーナルに28~29日のFOMCでの量的緩和縮小幅が大きくなるという記事が出たり、IMF(国際通貨基金)の世界成長率見通しでアメリカの2015年の成長率が下方修正されたりで、一時は140ドルを超える下落を喫した。しかしNASDAQは上昇。22日朝方の為替レートは、ドル円は104円台前半、ユーロ円は141円台前半で、今週は大きく動いていない。

 日経平均は46.95円安の15749.01円で始まり、午前9時台はマイナス圏で乱高下し、15780円を突破したかと思えば15733円まで下落。一方、TOPIXはマイナスで始まりながらプラスに浮上して徐々に上げ幅をひろげる。豪ドルがオーストラリアの消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予測を上回ったのを好感して急騰すると日経平均も10時17分にプラスに浮上。上海市場の続伸スタートにも後押しされて15800円台に乗せたかと思えば11時台にはマイナス圏深く下落するなど乱高下が治らない。それでも前引けでは15801円とプラスに戻した。その間もTOPIXはずっとプラスだったが、1300の大台にタッチはしても、なかなか定着しなかった。

 乱高下の原因と思われた日銀の金融政策決定会合の結果が昼休みに出て、金融政策も、2015年度に+1.9%の物価目標も現状維持。ドル円は円高方向に振れて日経平均、TOPIXはともに後場マイナスで始まり次第に下げ幅を拡大。午後0時48分に日経平均は15637円、TOPIXは1287まで下落した。しかし日経平均は1時6分に15631円の安値をつけた後は一本調子で上昇して値を戻す。2時台には上昇ピッチを早めて15800円台のプラスに乗せた。その間、ドル円は104円台後半まで円安が進行し、TOPIXも同じ曲線を描いて1300に乗せる。15870円の高値をつけた後は下げてもマイナスにならず、終値は25.00円高の15820.96円で今年初めて続伸した。後場の急落で日中値幅は239円と大きくなった。TOPIXは+3.68の1299.63。売買高は26億株、売買代金は2兆4539億円だった。

 業種別騰落率はプラス上位はその他製品、電気・ガス、その他金融、証券、鉱業、海運など。マイナス下位は石油・石炭、金属製品、小売、パルプ・紙、建設、保険などだった。

 22日のNYダウは41ドル安。足を引っ張ったのは前日取引終了後発表のIBMの決算で、10~12月期は純利益は6%増でも売上高が5.5%減で7四半期連続の減収になり、株価は3.3%下落した。しかしコーチなどは決算数字が市場予測を上回っても下落しており、決算を織り込んで年末に高値圏に昇りつめた地合いを考慮する必要がありそうだ。NASDAQは続伸。23日朝方の為替レートはドル円は104円台半ば、ユーロ円は141円台半ばで、前日夕方と変わらない水準だった。

 スイスで開催中のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)で安倍首相が基調講演を行い、国家戦略特区を突破口に規制緩和、成長戦略を推進するとともに「本年さらなる法人税改革に着手する」と国際公約。法人減税まで言及するとはちょっとサプライズで日経平均は79.67円高の15900.63円と15900円にタッチして始まった。最初は15900円より少し低いレンジの小動きで、TOPIXは1300を少し超える程度だったが、午前9時25分すぎから円安進行に伴ってどちらも急騰し日経平均は一時15950円を突破する。その後はおおむね15900円台前半、前日比100円高近辺で安定的に推移した。ところが10時45分すぎ、中国のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が6ヵ月ぶりに50を割り込んで12月よりも0.7ポイント低い49.6というネガティブサプライズ発生。ドル円は円高方向に逆戻りし日経平均は15900円を割り込み、11時7分には15829円まで下落した。ダボス会議の上昇分を中国PMIがかき消してTOPIXはあっさり1300割れしマイナスまで落ちたが、日経平均はマイナスまでは下がらず、少し戻して前引けは15858円だった。

 しかし後場の日経平均は15800円を割り込んでマイナスで再開。15800円前後の狭いレンジで動き、プラスにタッチしても定着しない。午後1時台になると先物主導でズルズル下がり続け、2時1分に15700円の安値をつける。それでも2時台は15700円台を維持して安値もみあいだったが、大引け9分前には15700円を一時割り込み、終値も結局125.07円安の15695.89円と15700円台を守れずに終わり3日ぶり反落。3ケタ高から3ケタ安まで動いたので日中値幅は268円もあった。TOPIXは日経平均よりも下落幅が大きくなり-12.11の1287.52。売買高は29億株、売買代金は2兆6737億円だった。

 業種別騰落率は全業種マイナスで、下げ幅が小さいのは電気機器、石油・石炭、食料品、保険、精密機器、ゴム製品など。下げ幅が大きいのは金属製品、電気・ガス、情報・通信、陸運、鉄鋼、不動産などだった。