消費は低迷も、堅調なペットビジネス市場

2012年09月03日 11:00

 総合プランニングの調査によると、ペットフード・ペットケア用品・ペット生活用品などのペット関連製品市場は、2011年度において3660億8000万円。社会的な要因やペットの飼育環境の変化により、ペットの小型化、室内飼育化、長寿命化、肥満化、健康志向が高まり、2014年度には3869億円に拡大すると予測されている。この傾向を裏づけるように、節電や不景気など、財布の紐が固い昨今でも、コンスタントに新たな商品やサービスが展開されている。

 イオンは9月1日より、首都圏及び近畿圏の総合スーパー「イオン」125店舗や「イオンペット」58店舗に加えホームページにおいて、霊園紹介サービスを開始。安心してペットをお見送りできるよう、「火葬炉の設備」「火葬時の衛生面」「言葉遣いや服装」「納棺時の作法」など50項目にわたるイオン独自の品質基準を設定しているほか、コールセンターにて9月1日より年中無休で24時間受け付ける。

 また、ヒトの全身健康と歯周病との関係が注目される一方で、2歳以上の犬の約8割が歯周病にかかっているなど、近年、犬や猫などペットの歯周病や全身健康への影響が報告されている。こうした状況を受けてライオン商事は、動物病院専売のペット用オーラルケア製品2品(犬用ハミガキ、ハブラシ)を新発売し、動物病院向けペット用オーラルケア市場に本格参入。オーラルケアの知見と獣医師の意見とを応用した犬用ハミガキとハブラシを開発したと同時に、最初からハブラシを用いると嫌がりやすいペットのために、口周りへ接触することに慣れさせて、徐々に「ステップアップ」するための商品ラインナップになっているという。

 その他、住友スリーエムは、スコッチ・ブライトブランドから、衣類用粘着クリーナー、「スコッチ・ブライト ペタコロ粘着クリーナー衣類用ペット56シート(ケース付)」と「スコッチ・ブライト ペタコロ 衣類用ペット取り替え用56シート(2巻入)」を8月21日より発売。日清製粉グループの日清ペットフードも、嗜好性の高さが好評の「懐石デリシオーレ」より、贅沢なおいしさにこだわった新味2品および、体重5kg以下の超小型犬専用のドッグフード「いぬのしあわせ プッチーヌ」シリーズも新たに3品をラインナップしている。

 2011年の一般財団法人ペットフード協会の調査によると、犬・猫の飼育頭数は2100万頭を超え、約3割の世帯がペットを飼育されている。また、今後犬・猫を飼育したいと考える人は5割を超えていると言われ、ペットが生活の重要なパートナー、家族の一員だという意識が高まるにつれ、ペットのための出費を惜しまない消費者が増加している。この傾向は今後も続くであろう。ビジネスの多様化や高付加価値化に伴い、この市場はどこまで拡大するのであろうか。