東芝テック<6588>と大日本印刷(以下:DNP)<7912>は、スーパーなどで購入した買い物情報(打ち出されたレシートの明細)を瞬時にデータ化して管理することができる東芝テックの電子レシートシステム『スマートレシート』と、DNPの家計簿アプリ『レシーピ!』のデータを連携させ、買い物履歴を簡単に家計簿に反映できる機能を開発し、その事業化を2014年度中に予定していると14年1月21日に発表した。
東芝テックが開発した「スマートレシート」とは、買い物をしたときに紙で提供されるレシートの情報を紙ではなくデータで記録し、買い物客は自分のスマートフォンで確認することができる仕組みである。
買い物客は、手元に紙のレシートを残さなくても買い物履歴をスマートフォンでいつでも確認でき、店舗は、紙のレシート発行のコストを低減でき、環境負荷の低減にも貢献できるメリットが生じる。
一方、DNPが提供している「レシーピ!」とは、スマートフォンでレシートを撮影するだけで簡単に家計簿がつけられる家計簿アプリで、無料で提供されている。13年7月の配信開始以来、累計で40万ダウンロードされ、女性を中心に好評を得ているアプリである。
今回の提携で、写真撮影の手間なしに家計簿を簡単かつ正確に作成できるようになる。この連携で、家計簿を継続する際の最大の課題である「つける手間」を大幅に軽減できるメリットが利用者に生じる。
この2つの機能を連携させる実証実験が14年1月22日より宮城県仙台の「みやぎ生活協同組合」の21店舗始まった。現在の連携では、データの書き出しや取り込みが必要だが、今後は、買い物履歴データを自動的に「レシーピ!」に取り込む機能が開発される予定である。
東芝テックには、販売するPOSレジを差別化できるという大きなメリットがあるが、DNPのメリットが見えない。DNPは将来、更にペーパーレス化進むことを見据えて、印刷がメインのビジネスからの転換・脱却の狙いが、背後にあるのかもしれない。(編集担当:阪木朱玲)