安倍内閣が武器輸出3原則を見直し、新たな原則を今月にも閣議決定するといわれるさなか、その『武器輸出新原則』について、社会民主党の照屋寛徳国対委員長は「安倍内閣の武器輸出新原則によれば、政府が都合よく解釈すれば武器の輸出が際限なく拡大し、歯止めが利かなくなる恐れがある」と警鐘を鳴らし、新原則を閣議決定する場合にも、国会審議を尽くして後にすべきで、「短期間で閣議決定していいはずはない」と総理の姿勢をけん制している。
新原則は(1)国際的な平和や安全の維持を妨げることが明らかな場合は輸出しない(2)輸出を認める場合を限定し、厳格審査する(3)的外使用や第三国移転について適正管理が確保される場合に限るというもので、「武器輸出や他国との武器の共同開発に慎重だった歴代内閣に比べ(共同開発にも)非常に積極的だ」と懸念する。
照屋国対委員長は集団的自衛権の行使容認を図ろうとする安倍内閣が、武器輸出でも十分な国会審議を尽くさずに閣議決定するのではないかと警戒。「憲法理念の平和主義に基づく重大な武器輸出三原則の転換を短期間で閣議決定していいはずない」とけん制した。
照屋国対委員長は「昨年12月に安倍内閣で初めて纏められた国家安全保障戦略でも武器輸出と他国との武器共同開発に積極的に取り組む方針が決定され、経団連の防衛生産委員会も2月12日に『防衛装備品は国産品の輸出も認める』と自民党に提言した」として「『死の商人』としてのカネ儲けのため、政軍産複合体の結束を示している」と憂慮。
武器輸出3原則では共産圏諸国向け、国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向け、国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向けについては輸出を禁じ、3原則対象地域以外の地域についても憲法と外国為替、外国貿易管理法の精神にのっとり、武器の輸出を慎むものとする」ことが歴代政府の下でこの原則が国是として位置づけられてきた。現在もその路線が守られている。ただ、安倍総理は、この原則も見直す方針で、新原則を閣議決定したい姿勢を示している。(編集担当:森高龍二)