双日が、韓国の大林産業と共同で、ベトナム電力公社(EVN)から、同社がベトナム・カントー市において計画中の「オモン第1火力発電所2号機」建設プロジェクトを約280億円で受注したと発表。発電容量は300MWで、完工および運転開始は2015年を予定している。
ベトナムでは、工業・建設分野を中心として、電力需要量が年間15%前後のペースで増加。その為、ベトナム政府は、国家電源開発計画のもと2010年までに約20000MWの電源開発を実施。現在は、将来的な更なる需要増に対応するため、EVNによる新たな電源開発並びに発電所の建設が進められている。今回の案件「オモン第1火力発電所2号機」も国家電源開発計画のプロジェクトの一つとなる。
受注にあたり、双日と大林産業のコンソーシアムは、EVNとEPC契約(設計、機器調達、建設)を締結。蒸気タービン、ボイラー等主要機器及び関連機器を三菱重工業 から調達し、この内双日は、三菱重工の蒸気タービン発電機・関連機器の供給および商務交渉などを担当、大林産業はその他機器の供給、建設等エンジニアリング業務を担うという。
新興国として注目を浴びるベトナムであるが、第1四半期の4.0%よりは多少改善したものの、2012年上半期のGDP成長率は前年同期比4.38%にとどまっている。ジェトロによると、国内需要は冷え込みが続き、不動産価格の下落から銀行は多額の不良債権を抱えており、12年後半においても景気の本格的な回復は期待できそうにないという。この傾向はベトナムに限ったものとなるのか、東南アジア全体を巻き込んだものとなるのか、暫くは注視すべき動向と言えるのではないだろうか。