【日経平均】悪化した中国PMIに負けずに上昇し251円高

2014年03月24日 20:20

 自動車はトヨタ<7203>こそ92円高だがホンダは40円安、富士重工<7270>は31円安、マツダ<7261>は15円安と高安まちまち。自動車部品は、前週続落して不振だったデンソー<6902>は109円高と大幅反発したが、アイシン精機<7259>は三菱UFJ証券がレーティングを引き上げても15円安で終えた。電機大手もソニー<6758>は41円高、シャープ<6753>は16円高でも日立<6501>は6円安、東芝<6502>は8円安とまちまち。船井電機<6839>は通期見通しの最終損益を黒字から4期連続赤字に下方修正し、75円安で値下がり率1位。北米で液晶テレビが売れず、フィリップスのAV事業を買収できなかった損失も大きいという。

 NTT<9432>102円安、KDDI<9433>111円高と通信大手も明暗が分かれた。三菱重工<7011>は後場、昨年受注した大型クルーズ客船の設計変更を余儀なくされ今期に600億円の特別損失を計上すると発表して一段安になり終値18円安。東邦亜鉛<5707>は通期営業利益が前期比10倍、経常利益見通しが従来の9%減益から48%増益に一変する業績観測を好感され10円高だった。

 ヤマトHD<9064>は中国郵政集団(チャイナポスト)と提携して中国全土の宅配便配達網を整備すると報じられ72円高。業績見通しを下方修正して12日の昨年来高値から6日続落した分のほぼ半値戻し。中国から日本のネット通販に注文すれば最短3日で配達されるといい、「楽天市場」や「ゾゾタウン」にとっては中国に販路をひろげられる良いニュースで楽天<4755>は27円高、スタートトゥディ<3092>は44円高。「ヤフーショッピング」のヤフー<4689>は遺伝子を解析して生活改善を助言するサービスを低価格で提供するというニュースもあり17円高だった。値上がり率1位はゲームソフトのデバッグ(不具合検出)という堅実で成長性もある事業を手がけるハーツユナイテッドG<3676>で320円高。「癒し系版画」のクリスチャン・ラッセンの海の絵の販売・レンタルで知られるジャスダックのアールビバン<7523>は、創業30周年で30円の記念配を発表しストップ高比例配分の80円高。25、26日も配当取りで買われそうだが、株主優待でラッセンの画集はもらえない。

 この日の主役はパナソニック<6752>。リストラ効果で通期営業利益が従来予測の2700億円を200億円上回る2900億円で前期比8割増という業績観測記事が出て68円高と9日ぶりに反発。6%を超える上昇で売買代金9位に入った。来期の営業利益は3%増の3000億円と控えめ。今期も来期も営業利益見通しが市場予測を下回ったため朝は「寄り安」のマイナスで始まったが、すぐプラスに浮上しグングン値を上げた。同じパターンを描いた銘柄には142円高のソフトバンク<9984>や12円高の東京電力<9501>、600円高で6日ぶりに大幅反発した任天堂<7974>があり、今週は先物に翻弄された前週とは地合いが違うと感じさせた。(編集担当:寺尾淳)