【今週の振り返り】先物に振らされてばかりで103円下落した週

2014年03月22日 20:31

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急騰も急落も説明がつかない。「神」のごとく日経平均をコントロールするのは誰なのか

 前週末14日のNYダウは43ドル安で5日続落。自律反発で午前上昇しても、前月比マイナスの消費者景況感指数と地政学的リスクがあっさり打ち消す。米ロ外相会談は平行線で終わり、クリミアの住民投票の開票結果は予想通りロシア編入への賛成票が95%を超え圧倒的多数を占めた。17日朝方の為替レートはドル円が101円台前半、ユーロ円が141円近辺と円高が進行した。

 日経平均は73.34円安の14254.32円で始まった後、値がつくにつれて3分後に14300円にタッチし5分後にプラス圏に浮上するが、すぐマイナス圏に押し戻される。その後はプラスに浮いては沈み、浮いては沈むを繰り返す。日経平均は大幅高のソフトバンク<9984>におんぶにだっこで、押し目買いで自律反発しているわけではなくTOPIXはずっとマイナスが続く。中国人民銀行が人民元の変動幅を1%から2%にひろげて上海市場がプラスで始まっても香港市場は大幅安。10時台後半からは日経平均は14300円にも届かなくなり前引は14264円だった。

 後場は14300円台で始まるがあっさり下落し日経平均はマイナスが続く。しばらく14280~14310円のレンジで小動きした後、午後2時前から再び下落して2時18分に14203円の最安値をつける。ソフトバンクの健闘だけでは日経平均を支えられず、TOPIXはさらに下げ幅を拡大した。それでも2時30分頃から14300円近辺まで値を戻し、49.99円安の14277.67円で終え4日続落。ウクライナ情勢が今後どうなるのか見当がつかず、18~19日のFOMCを控えた様子見ムードにも支配され上値が重かった上、週末に大手メディアが発表した安倍内閣の支持率調査で50%割れが相次いだことも悪材料になった。政権が支持されていないと株価も上がらないのがふつう。日中値幅は156円。TOPIXは-9.77の1154.93。売買高は19億株、売買代金は1兆8680億円で相変わらず低調が続く。

 情報・通信1業種だけが上昇し、残り32業種は下落した。下落セクターで下げ幅が小さかったのは食料品、輸送用機器、鉱業、水産・農林、保険など。下げ幅が大きかったのは不動産、建設、ガラス・土石、金属製品、証券、その他金融などだった。

 17日のNYダウは181ドル高で6日ぶり反発。アメリカ、EUはクリミアの独立を承認したロシアへの経済制裁発動を決めても「想定の範囲内」。いつまでも悪材料視して下落し続けるわけにもいかず、鉱工業生産が0.6%増で市場予想を大きく上回るような別の好材料に反応してNYダウ採用30種全て上昇した。18日朝方の為替レートはドル円は101円台後半、ユーロ円は141円台後半で少しだけ円安に振れた。

 日経平均は213.74円高の14491.41円で始まりTOPIXも大幅反発。14500円を突破し午前9時4分には14533円まで上昇するがすぐ押し戻される。時々14500円にタッチしながらも200日移動平均線の14504円で抵抗を受けて伸びず、14400円台後半の小動き。10時台後半になると14400円台前半に値を切り下げる。10時55分に瞬間14000円を割る場面もあったが、その後は14400円台前半をキープして前引は14432円だった。

 後場は水準を切り上げて14400円台後半で始まる。水平飛行が続くが、1時30分すぎから14500円台にたびたび乗せる。それでも前場の高値14533円は抜けられない。大引けの10分ほど前から先物売りが出て値を切り下げ、14日のSQ清算値14429円も割り込み終値は133.60円高の14411.27円どまり。3ケタ高で5日ぶりに反発しても後味は悪かった。日中値幅は134円。ロシアのプーチン大統領の日本時間夜8時の演説やFOMCの結果の様子見もあり、為替の追い風がなく自律反発だけでは14500円近辺が精いっぱいだった。TOPIXは+11.01の1165.94。売買高は17億株、売買代金は1兆6765億円と薄かった。

 全セクターがプラスで、上位はガラス・土石、サービス、情報・通信、医薬品、非鉄金属、建設など。下位は銀行、海運、食料品、輸送用機器、小売、機械などだった。