吉野家HD、牛すき鍋膳効果により業績を上方修正

2014年04月06日 13:34

 4日、大手牛丼チェーンの「吉野家」を展開する吉野家ホールディングス<9861>は、2014年2月期の連結業績予想を上方修正すると発表。連結売上高を当初の予想から14億円多い1734億円に、純利益を4億円多い6億円にそれぞれ引き上げた。去年12月から吉野家にて全国発売された高単価メニューの「牛すき鍋膳」の好調さが今回の上方修正につながった。

 「牛すき鍋膳」は並盛580円(3月末まで。4月からは590円)と価格は高めながら、白菜やネギといった野菜を多く使用することで、シニアや女性といった新しい客層を取り込むことに成功。具材を火にかけた状態で提供し、時間をかけてゆっくり食べたいお客のニーズに応えたメニューで、郊外店での夕食の時間帯に注文されるケースが多いという。またこれまで吉野家の客層は40~50代の男性が中心であったが、この「牛すき鍋膳」を発売して以来、60代以上とみられる人や女性のお客が増加したとのこと。

 今回の上方修正より、連結売上高を1720億円から前年比5.4%アップの1734億1000万円に引き上げた。また経常利益を22億円から前年比32.9%アップの32億7000万円に、純利益を2億5000万円から6億9800万円にそれぞれ引き上げた。前期の純利益は3億6400億円の赤字であった。そして好調な中国での事業により持分法投資利益が増加したことや、受取配当金の増加、人件費などの経費効率化の成功なども上方修正に影響したものとみられる。

 高単価の「牛すき鍋膳」がこうして大ヒットしたことにより、売上は大きく伸び、利益率は改善した。この新メニューの「牛すき鍋膳」の投入効果は去年の10月時点の連結業績予想には織り込まれてはいなかった。12月から2月までの間に既存店売上高は3ヶ月連続で2ケタ伸長し、業績回復に対して大きな役割を果たすこととなった。

 吉野家ホールディングスは去年10月に業績予想を下方修正していたものの、今回の上方修正により経常利益は減益予想から一気に2ケタ増益予想となり、期初計画も上回った。(編集担当:滝川幸平)