2日のNYダウは40ドル高で4日続伸。ザラ場ベースでは史上最高値にあと6セント、終値ではあと3ドル66セント。S&P500は連日の史上最高値更新。2月の製造業受注は前月比1.6%増。ADP雇用統計は非農業部門民間就業者数が前月比19.1万人で市場予想を下回ったが、前月分が上方修正されて4日の雇用統計への期待が高まった。「利上げはまだかなり先になるだろう」というセントルイス連銀のブラード総裁の発言でさらにリスクオンし、取引終了直前に史上最高値に迫った。3日朝方の為替レートは、ドル円は103円台後半、ユーロ円は143円近辺で前日夕方とあまり変わらない水準だった。
シカゴCME先物清算値は15080円。チリ沖地震の津波が東日本の太平洋岸に到達する中、日経平均は62.86円高の15009.18円と大台を回復して始まる。15000円をいったん割り込んだ後、10時台にかけて一進一退しながら徐々に水準を切り上げ、10時28分に15086円まで上昇した。アジア各国市場が上海3日続伸、香港5日続伸、台湾4日続伸、韓国7日続伸と揃ってプラスでスタートしても75日移動平均線15113円は抜けられず、その後は15030円付近まで下げて再び上昇して、前引けは15076円だった。
後場は15128円といきなり75日移動平均線を突破して再開。14150円を突破し午後0時52分には15164円まで上昇し、その後は15100円オーバーの水準を2時15分頃まで維持。しかしアジア市場が韓国、台湾、上海、インドで下落に転じると東京市場も15100円を割り込む。いったん戻しても大引け前には再び下落して、終値は125.56円高の15071.88円だった。続伸で終値ベースでも3月11日以来の15000円台に乗せている。日中値幅は188円。TOPIXは+5.41の1216.77で、JPX日経400とともに9日続伸になり、震災前の2011年2月以来の記録になった。売買高は20億株、売買代金は1兆8714億円で3月18日以来11営業日ぶりの2兆円割れ。ECB理事会、アメリカ雇用統計、日銀会合と続くイベントを前にした様子見で薄商いになった。
値上がり銘柄は969。値下がり銘柄は684でけっこう多い。それでも値上がりセクターは29もあり、上位はその他金融、食料品、精密機器、パルプ・紙、保険、鉱業など。下位は医薬品、ガラス・土石など。値下がりセクターは鉄鋼、金属製品、電気・ガス、その他製品の4業種だった。
日経平均採用225種の値上がりは150銘柄、値下がりは63銘柄。プラス寄与度1~4位は「日経平均寄与度四天王」が揃い踏みし合計+51円で日経平均上昇幅の4割以上を占めた。マイナス寄与度1位はアステラス製薬<4503>、2位はアドバンテスト<6857>、
3位は安川電機<6506>で、3位までが寄与度が1円を超えるマイナスだった。
メガバンクはみずほ<8411>値動きなし、三菱UFJ<8306>1円高、三井住友FG<8316>5円高で精彩を欠いた。野村HD<8604>も1円高。銀行・証券は金融緩和の先取り期待で買われてきたが、来週の日銀会合で何も出なかった時の反動が怖い。自動車はトヨタ<7203>7円安、マツダ<7261>3円安でホンダ<7267>38円高、富士重工<7270>31円高と高安まちまち。電機も東芝<6502>4円安、NEC<6701>1円安、ソニー<6758>1円高、日立<6501>3円高と全体が高かったわりには低調だった。
それでもシャープ<6753>は中国への液晶出荷量を倍増し、モバイル界の今年最大の話題「格安スマホ」に復活の切り札「IGZO液晶」を供給すると報じられ5円高。シャープとともにスマホ用の中小型液晶を供給するジャパンディスプレイ<6740>も後場連れ高して29円高の上場来高値になり、売買高14位に入った。MVNOの日本通信<9424>は16円高で株式分割後5日連騰。LINE利用者が全世界で4億人を突破と発表されたが、それに使われるデータ通信方式として今や標準規格化したLTEで日本全国を完全カバーするために4000億円を投資するとNTTドコモ<9437>が明らかにし11円高。基地局を今後1年間で3月末の2倍の10万局にするという話が移動体通信の設備工事に関わる銘柄の物色に火をつけ、代表格のコムシスHD<1721>は60円高、協和エクシオ<1951>は36円高、電気興業<6706>は41円高で値上がり率4位、通信用計測器のアルチザネットワークス<6778>はストップ高の300円高で取引を終えた。
東レ<3402>は今期の営業利益が3割増という業績観測で7円高。11月決算のキューピー<2809>はマヨネーズ原料の食用油や卵が高騰して12~2月期の営業利益が8.8%減、純利益が10%減と発表したが26円高だった。前日に武田薬品<4502>のクリストフ・ウェバー次期社長が記者会見。「製薬企業の中で上位のグローバル企業にする」と決意表明して好印象を残し、JPモルガンが目標株価を引き上げ39円高と反発した。