【日経平均】日銀会合はやはり何も出ず201円安3日続落

2014年04月08日 21:10

 金利敏感セクターの不動産大手はこの日も揃って続落。保険セクターのNKSJHD<8630>は前日、傘下の損保ジャパンと日本興亜が消費増税の影響などで自動車保険料を平均2.5%値上げすると発表し67円安。ロードサービスなどは保険会社が業者に消費税を払っている。人材派遣のアウトソーシング<2427>は69円高で年初来高値を更新し値上がり率2位に入った。

「ゆめタウン」などを展開する広島市が本社の流通企業のイズミ<8273>は前日に2月期決算を発表し、純利益が7%増の173億円で過去最高。年間配当を5円増配した。大和証券がレーティング最上位「1」を継続して目標株価を4000円としたが61円安。終値は2984円。イズミと同じく広島発祥のヨンドシーHD<8008>は2月期の営業利益が49億円という業績観測が出たが60円安。酒類販売のやまや<9994>が122円安で値下がり率11位になった背景は、アマゾンが酒類直販に乗り出して約6000品目を量販店並みの価格で販売するニュース。ネット販売にとってアマゾンは大きな脅威になっている。

 NASDAQが続落しネット、コンテンツ、ゲーム関連は不振続き。アリババ上場の不安が増すばかりのソフトバンクは3日続落し339円の大幅安で連日、日経平均の足を引っ張る。売買高3位、売買代金9位のヤフー<4689>は16円安で連日の年初来安値更新。楽天<4755>も28円安で3日続落した。クックパッド<2193>は野村證券が目標株価を引き下げ73円安。グリー<3632>は1~3月期の営業利益が21%減の85億円という業績観測が出ていたが従来予想は上回った。株価は30円安。コロプラ<3668>は「スリングショットブレイブズ」が累計100万ダウンロードを突破したが79円安と売られた。

 新規IPOが2件あり。半導体デバイスの研究開発、設計、製造、販売を手がけるトレックス・セミコンダクター<6616>がジャスダックに新規上場。公開価格5000円に対して9時21分に4480円の初値がつき、初値<公開価格の黒星。企業の物流業務の受託「サードパーティ・ロジスティクス(3PL)」を手がける丸和運輸機関<9090>が東証2部に新規上場。公開価格3400円に対して9時15分に3100円の初値がつき、「桃太郎便」も鬼が島で返り討ちにあったか黒星。両銘柄とも初値を一度も上回れなかった。上場した時が悪いのか、それとも銘柄が悪いのか。

 この日の主役は武田薬品<4502>。後場に入ったニュースが「アメリカで60億ドル(6200億円)の損害賠償認定」で、その巨額ぶりに株価は一時425円安まで下げ年初来安値を更新した。糖尿病薬「アクトス」の発がんリスク隠しをめぐる民事訴訟で、ルイジアナ州連邦裁判所の陪審が認定して懲罰的賠償を命じた。もっとも、武田薬品は日経新聞朝刊では「NISA買い人気ナンバーワン」に挙げられており、大引けにかけて個人投資家とみられる押し目買いが入って売買代金2位になり、終値では249円安まで戻した。高配当利回り銘柄は株価が安い時に買えばそれだけうま味が増すためだが、個人投資家を大切にしていると、こんな時に助けられる。(編集担当:寺尾淳)