【日経平均】154円高だが電池切れで15000円台は守れず

2014年04月02日 20:28

 1日のNYダウは74ドル高で3日続伸。終値は昨年12月31日の史上最高値16576ドルにあと44ドルに迫った。ザラ場ベースではあと23ドル。S&P500は過去最高値を更新した。3月のISM製造業景況感指数は53.7で2月の53.2から0.5ポイント改善。市場予測は下回ったが「大寒波が来なければ好景気だった」という証しになり景気後退不安を打ち消した。新車販売台数が好調でフォードは4.6%上昇。GMは首位を保ったがリコール問題でバーラCEOが下院で証言・謝罪して株価は下落。日米とも「リケジョの星」が窮地に立たされている。2日朝方の為替レートは、ドル円が103円台後半、ユーロ円が143円近辺で、前週末と比べるとドル円は1円以上、ユーロ円は2円近くも円安が進んだ。

 取引時間前に日銀から、3月のマネタリーベースと3月調査の日銀短観の企業物価見通しが発表された。マネタリーベースの伸びは54%で、今年1~3月はいずれも50%を超える伸び。企業物価見通しは1年後までの消費者物価指数(CPI)が1.5%上昇で、日銀の目標の2%に及ばなかった。

 シカゴCME先物清算値は14900円。日経平均は105.89円高の14897.88円で始まる。直ちに14900円台に乗せ、午前9時7分に14936円まで上昇。いったん14900円を割り込んでもすぐ戻せるのが「寄り高」した後にズルズル下落した前々日、前日の序盤とは違うところで「15000円突破」の期待も抱かせる。しかし上値はなかなか追えず横ばい。スイッチが入ったのが9時50分頃で、為替の急速な円安に伴い先物主導で9時台のうちに14950円にタッチし、10時21分に14989円まで駆け上がる。ひと休みの後、上海、香港市場がプラスで始まりアジアまで「世界同時株高」が地球を一周。10時33分、日経平均は商いを伴って一気に15000円を突破した。ザラ場ベースでは3月12日以来の大台。10時40分に15040円まで上昇した後は15000円台を割りかけては戻し、割りかけては戻しを繰り返して底堅く前引は15011円だった。

 後場は15050円を抜く高値で始まり大型主力株中心の買いがなおも続き、午後0時37分には15069円まで上がった。その後は一服しても大台はしっかりキープし、水平飛行が続いたが、2時台になると円安一服もあり、まるで電池が切れたように失速し15000円を割り込み、14900円台前半まで下落。大台を回復できるほどの買いのエネルギーは残っておらず154.33円高の14946.32円で終えた。3月11日以来の終値ベースの15000円台回復はお預け。日中値幅は176円だった。TOPIXは+7.11の1211.36と8日続伸したが、2時台に約9ポイントも下落していた。売買高は25億株、売買代金は2兆2963億円だった。

 TOPIXがプラスでも値上がり銘柄807より値下がり銘柄858のほうが多く、値動きなしが134銘柄もあるのは、2時台になって最近好調だった小型株の多くが電池切れを起こして失速した証拠で、翌日から風向きが変わる前兆かもしれない。33業種別騰落率は上昇25業種、下落8業種。プラス上位は不動産、その他金融、証券、海運、銀行、石油・石炭など金利敏感セクターが多かった。マイナス下位は水産・農林、電気・ガス、空運、倉庫、食料品、その他製品と内需ディフェンシブ系業種が顔を揃えた。

 日経平均採用225種の値上がりは168銘柄、値下がりは47銘柄とこちらは上昇銘柄の数が優勢。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+29円、2位はソフトバンク<9984>で+13円。マイナス寄与度1位はKDDI<9433>で-4円、2位は花王<4452>で-3円だった。