【日経平均】売買代金今年最少の薄商いで8円安の小反落

2014年04月04日 20:23

 3日のNYダウは0.45ドル安。チュッパチャプス1本ぐらいしか買えない僅差でも5営業日ぶりの反落。NASDAQも下落した。午前中に16604.15ドルまで上昇して約3ヵ月ぶりにザラ場ベースの史上最高値を更新したが、新規失業保険申請件数が悪化したり、2月の貿易赤字が前月比7.7%増加したりと経済指標がふるわず、雇用統計発表を前にした様子見ムードに支配されてハイテク株を中心に利益確定売りに押され気味だった。4日朝方の為替レートは、ドル円は一時104円台に乗せて103円台後半とドル高継続だったが、ECB理事会が政策金利を0.25%に据え置き、ドラギ総裁が記者会見で量的緩和の議論があったと明かしたため、ユーロ円で142円台半ばまでユーロは安くなっていた。

 シカゴCME先物清算値は15080円だったが、「黒田異次元緩和1周年」の日の日経平均は66.34円安の15005.54円で始まり、午前9時1分に大台陥落ギリギリの15000.69円で底を打つ。2日で約280円上昇した分の利益確定売りをこなした後は下げ幅を縮小し、TOPIXはたびたびプラスに浮上する。9時台後半からは15040円をはさんでの一進一退が続く。10時30分に上海も香港もマイナスで始まるとTOPIXは下落したが、日経平均は横ばい。11時頃、為替の円安進行に伴って先物主導で一気にプラスに浮上し、15098円まで上昇して前引は15091円だった。

 しかし後場は早々とマイナスに沈む。それでも15000円を割ることはなく15030~15060円の30円値幅の小動きが続く。2時台になると下げ幅を圧縮して前日終値に接近するが最後までプラスに浮上できず、8.11円安の15063.77円で3日ぶりに小反落し3勝2敗、前週末3月28日の終値から367.74円上昇して今週の取引を終えた。日中値幅は98円と小さくなった。TOPIXは-0.88の1215.89で連騰記録は9でストップした。売買高は17億株で3月13日に次ぐ少なさ。売買代金は1兆5663億円で今年になって最少を記録し、様子見ムードが極まった。

 東証1部の値上がり銘柄は769、値下がり銘柄は890で、33業種別騰落率はプラス18業種、マイナス15業種。値上がり業種上位は不動産、その他金融、海運、ゴム製品、保険、建設など。値下がり業種下位は情報・通信、精密機器、卸売、その他製品、輸送用機器、パルプ・紙などだった。

 日経平均225種の値上がりは116銘柄、値下がりは90銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+10円、2位は住友不動産<8830>で+4円。マイナス寄与度1位はソフトバンク<9984>で-25円、2位はKDDI<9433>で-8円だった。

 三井住友FG<8316>は、三井住友銀行が同グループのSMBC日興証券と全店で個人向け営業を一体化するというニュースがあったが1円高。三菱UFJ<8306>は三菱東京UFJ銀行が契約社員約7000人を労働組合に加入させて待遇を改善するというニュースがあったが2円高。みずほ<8411>は値動きなし。野村HD<8604>は7円高だった。

 自動車は不振。トヨタ<7203>は48円安、ホンダ<7267>は26円安、富士重工<7270>は全米販売台数が5年連続過去最高でも41円安、スズキ<7269>は15円安。しかし、「アテンザ」「アクセラ」が全世界8万8000台リコールでもマツダ<7261>は3円高で、日産<7201>は8円高。シャープ<6753>が4円高、日東電工<6988>が11円高で年初来高値を更新、ジャパンディスプレイ<6740>が30円高で上場来高値を更新し売買高13位、売買代金14位と、アップルのサプライヤーが好調だった。パナソニック<6752>は電気自動車(EV)充電システムの価格を10分の1に下げてヨーロッパで提供すると報じられたが4円安。ソニー<6758>は売買代金6位でも3円高どまりだった。

 今夏の原発再稼働の見通しが立たない関西電力<9503>と九州電力<9508>は、中部電力<9502>など東日本の電力会社から電力の融通を受ける検討に入ったと伝えられ、電力需給緩和期待で関西電力は7円高、九州電力は26円高。しかし周波数を変換するために融通は数十万キロワットに限られるという。中部電力は7円高だった。