週明け3月31日のNYダウは134.60ドル高でおよそ2ヵ月半ぶりの高値。イエレンFRB議長がシカゴで講演し、「金融緩和策はしばらく必要」「約束は強力」とハト派の姿勢を強調して市場に安心感がひろがり金利は低下。ロシア軍のウクライナ国境付近からの撤退報道は外交ポーズだとしてもムードは好転し金価格も低下した。マイクロソフト、オラクル、マイクロンなどIT・ハイテク系やバイオ株が上昇。4月1日朝方の為替レートはドル円は103円台前半、ユーロ円は142円台前半で前日からさらに円安が進行した。
取引時間前に注目の日銀短観が発表され、大企業製造業の業況判断DIは、現状指数が+17で前回比1ポイント改善、先行指数が+8で前回比6ポイント悪化。回答企業が3ヵ月先を予測する先行指数がマイナスや、マイナス近くまで下落する事態は避けられたが下落には違いなく、市場予測よりも5ポイント低かった。この日から始まった消費増税後の反動減への見方は予想外にシビアだった。
シカゴCME先物清算値は14815円。アメリカの株高、為替の円安を反映し年度初日、消費増税初日の日経平均は42.68円高の14870.51円で高く始まる。TOPIXもプラス発進。しかし日経平均のプラスは5分ももたない。午前9時台はマイナス圏で推移し、9時51分に14751円で底を打った後、10時台前半に14850円付近まで約100円上昇した。その間、10時に中国の物流購入連合会の製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表され、市場予測を0.1ポイント上回る50.3で安心感がひろがり、中国経済と関係が深い豪ドルが上昇した。しかし上海市場がプラスになり切れず、前日のドレッシング買いの反動もあり、日銀短観の先行指数の悪さもボディブローのように効いて、日経平均はプラスとマイナスを行ったり来たりした後、11時台にはズルズル下落して前引は14785円だった。
後場は午後0時台のうちにプラスに浮上して、日経平均もTOPIXも前日終値近辺の小動きが続いてプラスとマイナスの間で数えきれないぐらい往復。強弱の材料が拮抗した膠着状態が1時台から2時30分頃までずっと続いた。大引け前にはマイナス圏の14790円付近と14800円付近の間で動き、終値は35.84円安の14791.99円で5日ぶりに反落した。日中値幅は119円と小さかった。TOPIXは+1.36の1204.25で1200台を堅持して7日続伸。前週に続き火曜日に終値のNTねじれ現象が起きた。JPX日経400もプラス。売買高は21億株、売買代金は2兆482億円で2兆円台はこれで9日続いている。
1047対625で値上がり銘柄のほうが多く、業種別騰落率も18対15でプラス優勢。上昇業種上位は水産・農林、空運、建設、鉱業、鉄鋼、ガラス・土石など。下落業種下位は電気・ガス、パルプ・紙、医薬品、石油・石炭、その他製品、金属製品などだった。
日経平均採用225種で値上がりは105銘柄、値下がりは106銘柄と拮抗。プラス寄与度1位はソフトバンク<9984>で+17円、2位はダイキン<6367>で+5円。マイナス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で-17円、2位はKDDI<9433>で-12円だった。
4月1日から、昨年の大発会以来の「昨年来高値」「昨年来安値」は、今年の大発会以来の「年初来高値」「年初来安値」に切り替わる。メガバンク3行は全て小幅上昇。野村HD<8604>は2円安と下落した。円安にもかかわらずトヨタ<7203>は13円安、ホンダ<7267>は15円安だったが、マツダ<7261>は8円高。ソニー<6758>はこの日も売買代金2位の39円高で9日続伸し年初来高値を更新した。セラミック基板事業の売却が報じられたパナソニック<6752>は28円高。三菱電機<6503>は31円高と好調。日立<6501>も15円高と買われていた。
大日本スクリーン製造<7735>はバークレイズがレーティングを引き上げ17円高。ニコン<7731>は、今期の営業利益が18%増の600億円程度で従来予想を下回る業績観測報道が出たが2円高だった。前日はストップ高比例配分になったMVNO(仮想移動体通信事業者)の日本通信<9424>は、この日は一時ストップ高でも値がつき、26円高で年初来高値を更新した。