前週末4日のNYダウは159ドル安。3月の雇用統計の非農業部門雇用者数は前月比19.2万人増で市場予測の約20万人増に近い水準で、1、2月の数字はそれぞれ1.5万人、2.2万人上方修正された。失業率は6.7%で横ばい。これを受け午前中にザラ場ベースの過去最高値を更新したが、その後は利益確定売りに押されマイナスに落ち、徐々に下げ幅をひろげた。ネット関連やバイオなどで割高感のあった銘柄を中心に下落したNASDAQは110ドル安で2ヵ月ぶりの安値。イエレン議長がこだわる雇用の懸念が遠のけばFRBの利上げ時期が早まるという見方が出たほか、司法省がインサイダー取引の疑いで超高速取引(HFT)の調査に入ったことも影響した。7日朝方の為替レートは、ドル円は103円台前半、ユーロ円は141円台半ばで、前週末と比べると円高方向に振れた。
4日のシカゴCME先物清算値は14875円。シンガポールSGX先物は14890円で開始。取引時間前の外資系証券の売買注文動向は売り越しで、日経平均は182.95円安の14880.82円と15000円を割って始まった。下落しても午前9時34分の14808円止まり。清明節の振替休日で中国本土市場は休場で、香港ハンセン指数は続落スタートしたが、それでも10時台以後は日経平均はおおむね14800円台後半で推移し、TOPIXは1200台をキープ。小動きが続いて前引は14861円だった。
後場も前場と同じように14800円台後半の値動きだったが、TOPIXが時々1200を下回るようになり、午後1時40分頃から為替が円高方向に動いて日経平均は14800円台前半に後退。2月の景気動向指数速報値が発表されると「2時ホイッスル」で14800円を割った。その一致指数は1月から1.8ポイント低下し、先行指数は4.6ポイント低下と、先行きだけでなく現状も悪化した。ドル円が一時103円を割り込むと先物主導で2時29分に14764円まで下げたが、その後は14800円を回復して終値は254.92円安の14808.85円と続落した。大幅安でも日中値幅は131円と小さかったので「コップの中の嵐」とも言えるが、日銀会合の結果が発表される8日からはマーケットに「春の嵐」が吹き荒れるかもしれない。TOPIXは-19.05の1196.84で1200の大台を下回った。売買高は17億株、売買代金は1兆6658億円で今年最少の4日よりは多かったが依然として薄商い。イベントドリブンの売りの本丸はまだ温存されている。
東証1部の値上がり銘柄は216。値下がり銘柄は1513で全体の84%を占めた。33業種別騰落率のプラスは鉱業1業種のみ。マイナス幅が小さい業種は空運、石油・石炭、パルプ・紙、医薬品、小売など。マイナスが大きい業種はその他金融、証券、情報・通信、不動産、銀行、保険などで、金利敏感セクターが勢揃いした。
日経平均採用225種の値上がりは15銘柄、値下がりは208銘柄。プラス寄与度1位は第一三共<4568>、2位は大日本住友製薬<4506>と医薬品銘柄が占め、ともに+2円だった。マイナス寄与度1~4位は「寄与度四天王」が揃い、合計で-94円だった。
前週末とうって変わって銀行、証券、不動産、ノンバンクなど金利敏感セクターが大幅に反落。メガバンクは三井住友FG<8316>の下落が145円、3.19%と大きく、三菱UFJ<8306>は13円安、みずほ<8411>は5円安だった。5日の日経新聞に「日本郵政が来春にも上場し4兆円の資金調達」という超大型IPOの記事が躍ったが、野村HD<8604>が19円安、大和証券G<8601>が26円安と証券セクターは元気がなかった。不動産大手3社は全滅で、ケネディクス<4321>は13円安、ヒューリック<3003>は69円安。不動産含み資産銘柄のよみうりランド<9671>も24円安で年初来安値更新、値下がり率14位と売られていた。
売買代金3位のトヨタ<7203>は一時プラスだったが結局34円安。同4位のホンダ<7267>は103円安と3ケタ安までジリジリ下げた。富士重工<7270>44円安、日産<7201>8円安など自動車大手にプラスなし。電機はパナソニック<6752>の下落がひどく、値下がり幅が一時5%を超えて57円安で売買代金6位。シャープ<6753>は4円安、ソニー<6758>は6円安、日立<6501>は28円安、NEC<6701>は10円安。