15日、ボルボ・カー・ジャパン株式会社は、画期的なチャイルドシートのコンセプトモデルを公開した。
このシートにはポンプシステムが搭載されており、使用する時は空気で膨らませ、未使用時は折り畳める形状になっている。総重量5キロ以下と最近のチャイルドシートの約半分程のため持ち運びが楽になった。40秒もかからず膨らむので、タクシーや他の車への付替えも便利になり今まで難しかった場面でも使用できるよう設計されている。シートが膨らむ際に、内部から非常に強い圧力がかかるため「ドロップステッチ・ファブリック」というボート業界で広く使われる、この素材が選ばれた。
大きな特徴として、このシートは座席に後ろ向きに装着する形になるが、これが子供にとって一番安全とのことである。子供は頭が重いが首が十分に発達しておらず、万が一正面衝突した場合に前向きで座っていると前方に投げ出され、首に大きな力がかかる。
後ろ向きであれば背中全体で衝撃を緩和できるため、最低3歳から4歳までは後ろ向きに座らせることが必要とのことだ。
ボルボは「設計の基本は常に安全でなければならない」との理念のもと、安全面の技術に非常に力をいれている。最近では14年3月にドライバーの疲労を検出するセンサーを研究、13年6月には無人の自動運転で自動駐車する技術を発表、12年10月は自動運転車両の実用化に向け渋滞支援システムを実証し、通勤者の疲労軽減を図るなど行っている。
最も小さく弱い搭乗者であるとして、子供を守る取り組みには特に力を注いでおり、1964年の、世界初の後ろ向きチャイルドシートの開発から50周年を迎えた。子供と大人では体の構造が違うという考えのもとに、子供を守るための様々な安全装置やアクセサリーの開発を進めている。
体の出来ていない子供の安全を守るのは周囲の大人の役目であるが、子供を連れての移動は荷物も多く非常に労力も伴う。今回開発された折りたたみ式で軽量のチャイルドシートであれば、後ろ向きに座ることで安全も守られ、持ち運びや取り付けに関して保護者の労力も軽減されるのではないだろうか。(編集担当:高井ゆう子)