2013年 Volvo/救世主「VOLVO V40」は同社の歴史に残るエポックカーか?

2013年12月28日 18:02

Volvo V40_2

2月に販売をスタートさせ好調裏に売上を伸ばしてきたボルボV40。何と2013年12月14日の時点で、累計受注台数1万台を突破した。

 ボルボは日本国内のマーケットで1990年代にエステート(ステーションワゴン)を武器に認知度を上げたブランドだ。エステートはVで表し上級ワゴンを「V70」としてラインアップを構成した。一方でセダンは「S70」という表記。その後の2000年代半ばに“70”シリーズは北米市場を意識して大型化、加えて日本における「ステーションワゴン・ブーム」の沈静化でシェアを落とす。

 しかし、2013年2月に日本に上陸した新型V40が、ボルボ復活の起爆剤となった。ボルボの車種を表す“V”とは、従来ならステーションワゴン。が、新型V40は5ドアHB車。欧州でもっとも競争が苛烈なCセグメントに投入したボルボの意欲作なのだ。まさに、ヨーロッパのプレミアムコンパクトと呼ばれるゾーン目掛けて投入し、この新しい「ボルボ・デザイン」が日本でも大成功を収めている。

 エクステリアデザインは、ボルボC30のデザイントレンドを継承、クーペを思わせる流麗なルーフラインとフォルムが特徴。ダイナミックなウェッジシェイプのサイドビュー、ショルダーライン。そしてリアのドアハンドル付近で立ち上がるフック形状は、かつてのスポーツクーペ「P1800」やそこから派生したスポーツワゴン「P1800ES」へのオマージュとも取れる。

 搭載するパワーユニットは、1.6 リッター直列4気筒直噴ターボエンジン。最高出力は18-ps(132kW)、最大トルクは24.5kg.m(240Nm)を発生する。トランスミッションは、スポーツモードが備わった6速デュアルクラッチ式トランスミッションが組み合わされる。またアイドリングストップ機能やブレーキエネルギー回生システム、高効率な速度感応式電動パワーステアリングなどを採用、CO2 排出量低減と好燃費を実現した。燃費は従来型コンパクトモデル(C30、S40、V50)比で約40%向上した16.2km/リッター(JC08 モード)を達成している。

 優れた環境性能を達成するのと同時に、卓越した運動性能獲得を目的にボディモノコックにアルミと高張力鋼板を多用し軽量化を図った。リアサスには応答性に優れた「モノチューブダンパー」を採用。積極的スポーツドライビングに対応した「スポーツモード付ダイナミックスタビリティ&トラクションコントロール(DSTC)」、より早い段階で車両のスリップを検知し制御する「アドバンスト・スタビリティ・コントロール」、コーナリング時にフロント内輪にブレーキをかけ、外輪にトルクを伝達する「コーナー・トラクション・コントロール」などを装備し、一体感のあるスポーツドライビングが堪能できる。

 このV40、2月に販売をスタートさせ好調裏に売上を伸ばし、何と2013年12月14日の時点で、日本における累計受注台数1万台を突破したとリリースされた。

 このV40の成功を今後のラインアップ構成・企画にどう活かすのか、それが次年度以降のボルボの課題だろう。(編集担当:吉田恒)