ソニー<6758>は画素数がフルハイビジョンの4倍ある液晶テレビ、「4Kテレビ」の新商品8機種を5月24日より順次発売していくと発表した。新商品ではタッチパネルにて操作が可能なリモコンや、約1秒で電源が点けられる機能など、使いやすさが重視されている。大手家電メーカーが「4Kテレビ」のラインナップを強化するなか、ソニーはこれらの新商品によりテレビ事業の再建を目指す。
消費税増税の影響により、テレビの販売台数の減少が懸念されている。しかしソニーはより付加価値を高めた商品を投入することにより、需要の掘り起こしを狙う。また6月にはサッカー・ワールドカップ(W杯)のブラジル大会が控えており、それを契機に「4Kテレビ」の普及を進めたい考えだ。
今回発表された新商品は49~85型の「BRAVIA(ブラビア)」3シリーズ計8機種で、最初に発売されるのが「X9500Bシリーズ」の65型で、発売日は5月24日を予定している。その後「X9200Bシリーズ」「X8500Bシリーズ」と春から夏にかけて発売される。また価格も49型の32万円前後から85型の200万円前後まで、幅広く取り揃えた。ソニーでは「4Kテレビ」の販売台数を公表していないものの、こうした新商品投入により14年度の販売台数を13年度の4倍程度にまで増やすという目標を掲げている。そして薄型テレビの大型機種のうち「4Kテレビ」の比率を、13年度の1~2割から4~5割に引き上げるとしている。
ソニーは「4Kテレビ」の国内シェアで約7割を占めているが、今回発表された8機種の新商品により業界最多のラインナップとなる。さらにこれら新商品では、様々な解像度の映像を4K解像度に変換し高精細で美しくする機能を搭載させたり、音質を向上させるなど、付加価値を高めることに努めた。
現在ソニーのテレビ事業は10年連続の営業赤字だが、それを黒字に転換させるべく「4Kテレビ」に注力している。またソニー以外のメーカーも、地上デジタル放送移行後の反動減や価格下落によりテレビ事業で苦戦を強いられており、ソニーと同様に採算性の高い「4Kテレビ」にてどうにか巻き返しを図ろうとしている。(編集担当:滝川幸平)