産業用大口電気販売量、震災以来3年ぶりに増加

2014年04月22日 09:04

 電気事業連合会が18日に発表した2013年度の「電力需要実績(速報)」によれば、電力会社10社合計の産業用大口電気販売量は、前年度比0.5%アップの2664億キロワット時で、東日本大震災以来3年ぶりに前年実績を上回ったことが分かった。安倍晋三首相による経済効果「アベノミックス」の影響により、機械や鋼鉄などの生産が持ち直したことが寄与したとみられる。

 しかし大口電気販売量はこうして増加したものの、全体の電気販売量は前年度比0.4%ダウンの8485億キロワット時であった。これで3年連続で前年実績を下回ることとなった。去年の3~4月、また去年の11月から今年の1月が暖冬であったため暖房需要が減少したことが原因とみられる。家庭の需要を示す「電灯」も前年度比0.7%ダウンの2843億キロワット時で、やはり暖冬により暖房需要が減少したことが影響した模様。

 電力会社別に見てみると、大口電気販売量で前年度比を下回ったのは1.7%ダウンの北海道電力<9509>と、0.9%ダウンの関西電力<9503>と、2.2%ダウンの四国電力<9507>の3社である。北海道電力は、去年の冬に数値目標付きの節電を要請したことが影響したものとみられる、また四国電力では去年6月に大手繊維メーカーのクラボウ<3106>が北条工場(松山市)を閉鎖したことや、自家発電の稼働の増加により需要が減少したことが影響した。

 業種別で見てみると、大口電力販売量は「鉄鋼」で3.9%、「繊維」で1.6%、「化学」で0.9%、「機械」で0.4%、それぞれ前年度よりも増加した。

 また同日に発表された電力会社10社合計の14年3月の電力販売量は、産業用大口電気販売量が前年同月比2.8%アップの223億キロワット時で、6ヶ月連続で前年を上回ることとなり、下半期の生産持ち直しの傾向が強まった。全体の電気販売量も前年同月比2.2%アップの730億キロワット時であり、3ヶ月連続で増加した。前年よりも気温が低く推移しているため、暖房需要が増加したことが寄与したものとみられる。(編集担当:滝川幸平)