コンテンツ産業 日韓で明暗分かれる 成長著しい韓流コンテンツの大半は日本へ輸出

2014年04月25日 20:35

 国を挙げてのコンテンツ振興策が功を奏し、韓国ドラマの輸出が好調なのに対し、日本のコンテンツ産業は現状維持ともいえる状況が続いている。日韓放送コンテンツ海外輸出額の推移では、番組放送権の輸出額は2004年と12年で比較して日本が横ばいであるのに対して韓国では4倍以上の著しい成長を見せていた。総務省が22日にまとめた「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析」(2012年度)の調査結果で明らかになった

 日本における番組放送権の推移は08年の92.5億円をピークに減少傾向にあり、ここ2~3年は60億円台で横ばいとなり、12年度も62.2億円だった。12年度から番組放送権に加えてフォーマット権、リメイク権、商品化権も対象にした放送コンテンツ関連輸出額を把握したところ、合せて104.3億円となり、番組放送権とコンテンツ関連輸出額の割合はほぼ6対4となっている。

 ジャンル別でみると、最も多く輸出されている放送コンテンツは今年度もアニメが56.6%とトップで、第2位のドラマ(16.4%)、第3位バラエティ(15.9%)を大きく引き離した。

 一方で経年推移をみると、アニメの番組放送権の輸出額は相対的に減少傾向にあり、ドラマの割合が増える傾向もみられる。07年度調査ではアニメの番組放送権輸出額は63.9%で、ドラマの輸出額は9.9%に過ぎなかったところが、12年度にはアニメが41.7%まで落ち込み、反対にドラマは23.9%まで輸出額を増やしていた。

 輸出先の国では、番組放送権と放送コンテンツ関連輸出額のいずれにおいてもアジアがトップで半数以上を占めている。次いで北米、ヨーロッパの順となっていた。アジアの中では韓国が輸出先として約17%を占めていた。

 調査では放送コンテンツの海外展開に関する日韓比較も行っている。海外輸出額では、日本の1億3100万ドルに対して韓国は2倍近い2億3400万ドルの市場規模だ。

 ジャンル別では日本の輸出額トップがアニメだったのに対して、韓国はドラマが89.9%と9割を占める。輸出先の国をみると、日本から韓国への輸出は17%であるのに対して、韓国からの輸出先として日本が62.4%を占めていた。

 2000年代に入り、韓国の放送コンテンツ輸出額が飛躍的に伸びている。韓国が官民挙げて取り組んだコンテンツ輸出の推進が実を結んだ結果だとすれば、我が国ももっとアニメ文化の振興に興味を持ってもいいのかもしれない。(編集担当:横井楓)