大手半導体メーカーのルネサス エレクトロニクス<6723>は21日、シンガポールの販売会社であるルネサス エレクトロニクス・シンガポールの100%子会社として、インドのバンガロール市に「ルネサス エレクトロニクス・インド」を本年4月1日に設立したと発表した。
ルネサスは2010年より、ルネサス エレクトロニクス・シンガポールの営業支店としてインドのバンガロール市、デリー市、ムンバイ市に拠点を設置しており、白物家電や自動車向けマイコンを中心に、インドの顧客へ製品の拡販活動や技術サポートを展開してきた。
今回の販売会社設立により、従来以上に顧客に密着した事業活動が可能になるとともにインドの他の地域も視野に入れてビジネスを拡大するという。特に、ターゲット市場向けにマイコンとアナログ半導体、パワー半導体を組み合わせたキット・ソリューションやリファレンスボードを提供することで顧客に開発期間の短縮を提案していく方針だ。
またルネサスインドでは、インド市場に特化したソリューションの開発チームを発足。同チームはまず、自動二輪車市場にフォーカスしたソリューション開発に注力し、将来的には産業および民生機器分野のソリューション開発も視野に入れる計画である。
ルネサス エレクトロニクス・インドの概要は、所在地はインドのバンガロール市、代表者はManaging Director のSunil Dhar氏。主な事業内容は半導体製品の販売・マーケティング、開発、技術サポート。
事業再編を進めるルネサスは、このところ工場売却や人員のリストラなど事業縮小のニュースが多い。先月も、同社の100%連結子会ルネサス山形セミコンダクタが保有する鶴岡工場(半導体前工程12インチウェーハ生産ライン)の半導体製造施設および設備などをソニーの100%連結子会社ソニーセミコンダクタに譲渡したばかりだ。しかし、今回は海外の売上拡大策の一環としてのインド進出だ。これを足掛かりにして、巻き返しを図る。(編集担当:慶尾六郎)