【日経平均】プラスに戻して精いっぱいの弱々しい35円高

2014年05月09日 20:25

 ダイキン工業<6367>の3月期決算は純利益2.1倍で6年ぶりに最高益を更新し43円高。シスメックス<6869>は150円高で年初来高値を更新。前日発表した3月期決算は15年連続増収、6年連続増益で、今期当期純利益は30.6%増の185億円を見込む。値上がり率1位は電気部品製造のタムラ製作所<6768>で、3月期経常利益6.2倍の好決算を2時に発表。今期も経常利益28.0%増の見通しで40円高になった。GSユアサ<6674>の今期営業利益は37.4%増の250億円で市場予測を上回り4円高だった。

 キヤノン<7751>は500億円上限の自社株買いを発表し売買代金8位に入り60円高。自社株買いを発表した他の銘柄では、ブラザー工業<6448>の3月期決算は営業利益が8.5%増の470億円で市場予測の486億円に及ばなかったが119円高で値上がり率9位、ハウス食品G<2810>は122円高で値上がり率13位、理想科学<6413>は165円高で、3銘柄とも年初来高値を更新していた。

 ソフトバンク<9984>は買収ターゲットのTモバイルが契約純増数全米首位に躍り出たが、手放すのが惜しくなったのかドイツテレコムの会長が売却に慎重な姿勢を見せた。マイナスで始まり前日終値近辺で浮いたり沈んだりした結果、終値は23円の小幅安だった。三菱重工<7011>は1時30分に決算発表。今期営業利益は21%増の2500億円で市場予測の2400億円を上回り、急伸して36円高。値上がり率16位で売買高5位と買われた。IHI<7013>は今期営業利益が6%増の350億円で最高益を更新する見通しで13円高。JXHD<5020>は1時に決算を発表し、今期営業利益は32%減の1450億円で市場予測の2300億円に遠く及ばす40円安まで下げたが、終値は10円安まで挽回した。

 大和ハウス工業<1925>は67円高。2時に発表した決算の今期見通しは営業利益が3.9%増の1700億円で市場予測の1631億円を上回った。住友ゴム<5110>の1~3月期は計画を上回り、12月期の通期見通しを営業利益は30億円上方修正し830億円とした。しかし市場予測836億円には及ばず22円安。武田薬品<4502>は決算の今期営業利益が7.7%増の1500億円、純利益が20.3%減の850億円の見通しで、市場予測の営業利益1860億円、純利益1070億円に届かず85円安。楽天<4755>は1~3月期の営業利益が2%減。駆け込み需要があったのになぜマイナスなのかと突っ込まれ72円安で年初来安値を更新した。

 前日に上昇した大手商社は売買を伴って続伸し、三井物産<8031>は売買代金10位で26円高、三菱商事<8058>は同9位で9円高。しかし丸紅<8002>は後場に発表した決算の今期見通しの営業利益が11.1%増で市場予測を上回ったが、当期純利益が4.3%増で市場予測を下回り、増配を発表しても効き目なく3円安だった。後場にH2Oリテイリング<8242>が家族亭<9931>を株式交換で完全子会社化すると発表。家族亭株は2時から16分間、売買が停止されたが7円安。7月に上場廃止になるという。H2Oリテイリングは36円安だった。

 この日の主役はトヨタ<7203>。前日大引け後に本決算の発表を行い、3月期の営業利益は73.5%増の2兆2921億円で、5月1日の日経新聞の業績観測2兆3000億円とほぼ一致。純利益は6期ぶりに過去最高益を更新した。今期営業利益見通しは0.3%増の2兆3000億円とほぼ横ばいで、純利益は2%減を見込む。今期の想定為替レートはドル円が100円、ユーロ円が140円で現状との差が小さく、保守的なのは納得できる。

 前期もそうだったが通期予想は控えめにスタートし、必要に応じて上方修正を繰り返すのが手堅いトヨタ流で、豊田章男社長も記者会見で「今期は意志を持った踊り場」と述べていた。それでも市場予測の2兆6522億円を下回ったためこの日の序盤は68円安とマイナスで始まったが、9時台のうちにプラスに浮上。その後の株価は安定して終値は33円高。マイナスを覚悟したのがプラスになってマーケットに意外感がひろがった。主要銘柄の決算発表は来週も続くが、市場予測未達は株価下落という「鉄の掟」に時価総額最大の主力株で修正がかかったことは、今後の相場形成に良い影響をもたらすかもしれない。(編集担当:寺尾淳)