【日経平均】マイナス圏内68円値幅で小動きして27円安

2014年05月02日 20:36

 1日のNYダウは史上最高値の翌日で雇用統計の発表直前でもあり、様子見ムードの中で利益確定売りが出て21ドル安で4日ぶりに反落。新規失業保険申請件数の悪化、エクソンモービルの減益決算も相場を冷やした。しかしツイッター、リンクトイン、フェイスブックなど「モメンタム銘柄」の買い戻しでNASDAQは12ポイント高で3日続伸。ISM製造業景況指数は54.9で市場予測を0.6ポイント上回った。2日朝方の為替レートはドル円102円台前半、ユーロ円141円台後半。メーデーで英国以外のヨーロッパ市場も地政学的リスクも休みでユーロが少し高くなった。

 そのヨーロッパを訪問中の安倍首相はロンドンで講演し、「消費増税は心配したほど消費を冷え込ませていない」「賃金上昇と雇用の上向きがデフレ克服に必要」「日本はデフレからの脱却に近づいている」などと述べ、原発再稼働の推進や法人税率の引き下げにも言及した。日経新聞朝刊は6月発表の「骨太の方針」の中に、法人税を来年度から段階的に引き下げる項目を盛り込むように政府が検討に入ったと伝えていた。

 取引が始まる前に3月の労働力調査の結果が発表され、完全失業率は2月と同じ3.6%で市場予測も同じ。有効求人倍率は市場予測を上回る1.07倍で6年9ヵ月ぶりの高水準だった。3月の家計調査の実質消費支出は市場予測の+2.0%をはるかに上回る+7.2%で2月のマイナスから劇的に改善。もちろん消費増税前の駆け込み需要があるので「追い風参考記録」ととらえるべきだろう。

 シカゴCME先物清算値は14455円。外資系証券の売買注文動向は売り越し。「利益確定売りの金曜日」は3連休前はその傾向が強まるが、1日追加で4連休前だと手じまい売りがさらに活発化するか注目の日経平均は30.69円安の14454.44円とCME清算値にさや寄せして始まった。午前9時19分に14405円まで下げた後は、おおむね14430~14460円のごく狭いレンジでの小動きが前場はずっと続き、香港市場が上昇しても反応薄。為替も動かない。前引は14451円だった。

 後場はそのレンジを前週「危険な時間帯」だった午後0時台に下抜けしたものの14410円近辺で下げ止まる。その後は連休前で売買が盛り上がらない中、小幅に一進一退しながら徐々に値を切り上げ、2時台前半まではマイナス圏でも14450円近辺。そこから2時46分の12円安14473円まで上昇するが、ここで金曜日の利益確定売りに頭を抑えられ、終値は27.62円安の14457.51円と反落し2勝2敗、前週末4月25日の終値から28.25円のプラスでゴールデンウィークの谷間の今週の取引を終えた。日中値幅は68円という少なさ。注目すべきはTOPIXで、+0.28の1182.48の高値引けで4日続伸。TOPIXがプラスだと東京市場は血色良く見える。売買高は16億株、売買代金は1兆5677億円で、日柄が良くないので薄商いは仕方がないところ。

 東証1部の値上がり銘柄は731、値下がり銘柄は896だったが、値動きなしが全体の9%の180もあったのが特徴的。33業種別騰落率は14業種が上昇、19業種が下落。値上がり上位業種は不動産、その他金融、海運、銀行、パルプ・紙、情報・通信など。値下がり下位業種は電気・ガス、非鉄金属、鉱業、水産・農林、鉄鋼、空運などだった。

 日経平均採用225種は値上がり79銘柄、値下がり135銘柄。プラス寄与度1位はアメリカ市場で子会社スプリントや買収ターゲットのTモバイルの株価が上昇して堅調だったソフトバンク<9984>で+12円、2位はアステラス製薬<4503>で+4円だった。マイナス寄与度1位はファナック<6954>で-6円、2位は京セラ<6971>で-4円だった。