オリンパス、今期も増収増益との予想を発表

2014年05月14日 07:23

 オリンパスが9日に発表した2014年3月期の連結決算の純利益は、前期比70%アップの136億円であったが、これは内視鏡販売など医療事業が好調に推移したことが大きい。14年3月期の医療事業の売上高、営業利益はともに過去最高を更新した。そしてオリンパスは同日に発表した15年3月期連結営業予想においても、医療事業の好調さは継続されると考え増収増益を見込んでいる。

 オリンパスは15年3月期における医療事業の営業利益を前期比2%アップの1150億円と予想している。これが実現することとなれば、前期から引き続いて過去最高の更新となる。販売が好調に推移している内視鏡下外科手術機器「サンダービート」を中心に、今後さらにセールス体制を強化させ、海外市場での販売拡大などにより増益を図るとしている。

 また事業全体の売上高として前期比6.5%アップの7600億円、そして営業利益を19.8%アップの880億円、経常利益を前期比37.5%アップの700億円と予想。当期純利益は450億円との予想を行っている。

 医療事業の好調さにより、こうして今期においても増収増益を見込んでいるオリンパスであるが、気になるのがずっと続くデジタルカメラなどの映像事業の不振である。15年3月期においても映像事業の赤字予想は続く。

 ただし販売台数を絞り込むことにより在庫を圧縮させてリスクを回避するなどの、業績改善に向けた取り組みは行われている。そしてスマートフォン(多機能携帯電話)に搭載されたカメラ機能の台頭により、どんどんとそのシェアが縮小しつつある低価格帯デジタルカメラに代わる大きな収入源として期待されている、一眼レフなどの高価格帯カメラにおいてもその販売を強化するとしている。オリンパスでは、デジタル一眼レフの販売台数を前期の51万台から63万台に拡大させる方針だ。

 また映像事業の赤字予想は新規事業やユニットレンズ事業の販売体制調整のための先行投資によるところが大きく、デジタルカメラそのものが事業の業績の足を引っ張っているわけではないとのこと。

 こうして好調な医療事業を継続させることと、不振続きの映像事業の赤字幅を縮小・解消させること、その両輪を上手く稼働させることにより、今期も引き続き業績拡大を図るとしている。(編集担当:滝川幸平)