KADOKAWAとドワンゴ、経営統合を発表

2014年05月17日 17:58

 今や同業種、また異業種の大手企業がさらなる業績拡大を目指し手を結ぶことは珍しくない。また、そうした統合による業界再編抜きには、大手であっても安定的な成長が見込めなくなってきているという現状もあるのだろう。そうした時流のなか、また新たな大手企業同士の統合が発表された。14日に発表されたKADOKAWA<9477>とドワンゴ<3715>の経営統合だ。

 角川書店など出版、また映画やアニメなどを手がけるKADOKAWAと、「ニコニコ動画」などを手がける動画配信大手のドワンゴが経営統合することで同意したとの発表を行った。共同持ち株会社を設立し、KADOKAWA、ドワンゴともにその会社の傘下に入る模様。共同持ち株会社の名称は「KADOKAWA・DWANGO」で、10月1日付で設立される。KADOKAWAの株1株につき共同持ち株会社の株1168株が、またドワンゴの株1株につき共同持ち株会社の株1株が割り当てられる。

 本社は東京都千代田区に設置され、資本金は200億円とのこと。また共同持ち株会社「KADOKAWA・DWANGO」の社長にはKADOKAWAの佐藤辰男相談役が就任する。佐藤辰男相談役はドワンゴの社外取締役でもある。また会長はKADOKAWAの取締役でもある、ドワンゴの川上量生会長が就任する。

 KADOKAWAの前身は出版社の角川書店であり、出版や映画、そしてアニメなどの幅広い事業を手がけている。同社は2013年に本格的な海外進出を行うため、社名を変更。以来、事業の多角化に努めてきた。

 またドワンゴは、会員数約3800万人を誇る動画配信サイト「ニコニコ動画」を手がけ、若者を中心に利用者を増やしてきた。またそれ以外にも、ゲームソフトの開発・販売、ライブイベントの運営など様々な事業を推し進めている。

 KADOKAWAとドワンゴの両社は株主総会を経て、共同持ち株会社の完全子会社となる。また9月26日付で両社ともに上場廃止となる予定で、10月1日付で共同持ち株会社の株を上場させる見通しだ。

 KADOKAWA・ドワンゴともに、これまでにない戦略やサービスを行うことで業績を拡大してきた企業であるだけに、その両社が手を結んだ時にはどういった事業展開が行われるのか、その動向に早くも関心が高まっている。(編集担当:滝川幸平)