拡大する格安航空会社の利用 2年間で利用が倍増も

2014年05月22日 10:03

 格安航空会社といえばパイロット不足で欠航が相次ぐなど利用者に不安を与える事態も起きている。一方で無駄を省いて低コストを実現した運賃への魅力から、消費者の利用意向は高いようだ。ライフメディアが2年前から実施している調査によると、利用経験者は15%から29%と約2倍に拡大、利用意向では7割が利用したいと考えていた。一方で、「安全面」や「遅延のリスク」を理由に、利用したくない人も3割前後を占めていた。

 調査はライフメディアが行った「格安航空会社(LCC)に関する調査」。20歳以上の年に1回以上航空機を利用する人を対象とし、1500件の有効回答を集めた。12年から年に1度行っており今回は3回目。

 格安航空会社を知っているか尋ねたところ、「どのようなものか知っている」と回答したのは69%。性別で見ると男性は75%、女性は63%で、男性の方がやや認知している結果になった。

 格安航空会社が低価格で運行するために行っている施策で許容できるものを尋ねたところ、「食事や飲料の簡素化、有料化」「エコノミークラスのみ」「機内エンターテイメントの廃止」が上位になっていた。

 利用の有無について尋ねたところ、29%が「利用したことがある」と回答。13年調査と比較しても8ポイント増加しており、右肩上がりに増えていることがわかる。また利用したことがある人に、満足度を聞いたところ、59%が「非常に満足」「満足」と答えており、半数以上が満足していた。

 利用したことがある人と無い人の両方に、今後の利用について尋ねたところ、74%が「利用したい」と回答。普及しつつある格安航空会社への利用意向は高いようだ。

 一方で利用したくないと回答した人に、その理由を尋ねたところ、「安全性に不安があるから」が62%でもっとも多かった。続いて、「遅延のリスクがあるから(45%)」「機内で快適に過ごせないから(44%)」「価格が安すぎて不安(31%)」「パイロットの技術に不安がある(26%)」と続いていた。

 現在の日本で格安航空会社が定着していると感じるか尋ねたところ、「定着している」と回答したのは13%程度に留まってたが、64%は「まだ定着していないが、今後定着するだろう」と、今後への期待感は高かった。

 格安航空会社元年といわれた2012年から早2年が経過した。パイロット不足による欠航など不安要素は残っているものの、調査結果からは消費者の期待感が高いことがうかがえる。一度、事故が発生すれば取り返しのつかない惨事となる航空機であることから、安全性が最優先されるのは当然だが、いち早い安定経営によって、消費者の移動の利便性を高めてくれることを期待したい。(編集担当:横井楓)