首都圏スーパーマーケット(SM)連合が創設 苦戦続くSMが連合しコンビニに対抗?

2014年05月25日 19:19

 首都圏は、高齢化や女性の社会進出を背景に単身世帯や共働き世帯の増加等の社会構造変化が最も進展し、新しいニーズが生まれ進化を続けている市場。また2020年の東京オリンピック開催に向け、都市インフラ整備や民間投資の加速している。都市機能が一層充実し、さらなる人口流入や海外からの旅行者の需要も増加している。

 一方、スーパーマーケット(SM)業界においては、全国各地で業界内の競争に加えて、ディスカウントストアやコンビニエンスストア、ドラッグストア、Eコマース、宅食等との業界を超えた競争がさらに厳しさを増している。

 また、合従連衡によるSM業界再編の動きが活発化しつつあり、この動きは近い将来首都圏にも及ぶものと予測されている。イオン<8267> はこの動きに対応するため、昨年3月に「首都圏食品スーパー(SM)連合」構想を発表、実現に向けて奔走してきた。

 その結果、今回首都圏スーパーマーケット連合が誕生する。マルエツ<8178>、カスミ<8196>、イオン、丸紅<8002>は、マルエツ、カスミ、イオンの連結子会社のマックスバリュ関東株式会社(MV関東)による、「首都圏におけるスーパーマーケット連合」(首都圏SM連合)の創設について、具体的な検討を開始することで合意した。

 マルエツ、カスミおよびMV関東は、首都圏を基盤とするSM企業としてこれまで培ってきた商品開発ノウハウやプロセスセンター等の既存ネットワークをさらに進化させる。

 また、イオンは、「トップバリュ」やスケールを活かした商品調達力、グローバル調達網、IT・物流網、クレジットカードや電子マネー、ATM等のインフラ等を提供する。丸紅は、経営ノウハウ、国内外の原材料・商品情報、グローバルな商品調達ネットワークや卸機能等を提供し、多様化する生活者のライフスタイルに合わせた商品を開発・供給する。

 4社は、首都圏SM連合の第一フェーズとして、2015年3月までにマルエツ、カスミ、MV関東の3社で共同持株会社を設立し2020年を目途に首都圏における売上高1兆円、1000店舗体制を構築、将来は国内ナンバーワン規模のSM連合体を目指す。

 また、新たな都市型小型SMやDS業態、シニアシフトやデジタルシフトに対応したネットスーパー等の開発も行っていく。

 首都圏SM連合の創設方式としては、マルエツ、カスミおよびMV関東の3社が、株式移転方式により共同持株会社を設立することを検討。詳細は今後設置する「共同持株会社設立準備委員会(仮称)」にて協議の上決定する予定。 また、共同持株会社のガバナンス形態及び役員構成は、今後4社間において協議し決定する予定だ。
 
 さらに、イオンと丸紅は特定目的会社を設立の上、共同持株会社の発行済株式総数の過半を保有することを前提として検討を進める予定。その場合、共同持株会社はイオンの連結子会社、丸紅の持分法適用関連会社となる見込み。

 イオンをはじめ、SM各社は業績の悪化が続いている。イオンの2014年2月期の業績は、営業利益、純利益ともに前期比で減益となった。この連合は絶好調が続くコンビニへの対抗策か。(編集担当:慶尾六郎)