全国一「地元愛」が強い福岡県、地域ブランディングにつながる可能性も

2014年05月25日 11:49

 博報堂が4月に提供を開始した、地域社会のブランディングを支援する「LoCoBra」の調査によると、県内・県外からの評価がともに全国一高いのは「沖縄県」、内部評価が外部評価を大幅に上回ったのは「福岡県」だった。沖縄県民は人情の厚さや郷土愛の強さに自信を持っており、県外からもそれらを評価するファンが多い。一方の福岡は、自然との調和がとれた住環境を愛する県民が多く、外部よりも内部評価が高くなったようだ。  

 同調査では、「自分の都道府県には、自分の都道府県を愛している人が多いと思うか」など5つの視点からの質問に対し、それぞれ「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した人の割合の平均値を算出。各都道府県における“属”(ブランドのもとに集まる仲間、ブランドの支援者やコミュニティ)のポテンシャルを明らかにした。さらに各都道府県に対し、県内に住む人(内部)と県外に住む人(外部)の評価をそれぞれ集計。その結果、京都、大阪、北海道など全国31道府県で内部よりも外部からの評価が高いと判明。逆に、外部より内部評価が高いのは福岡、高知、熊本など16県だった。特に内部評価が高かったのは福岡県だ。

 同県について詳細を見ると、県外からは「何回行っても飽きない。食べ物が美味しい(男性27歳)」「西の大都市(女性47歳)」など、食文化や大都市である点が評価されている。一方、福岡県民はこうした点以外にも「大都市なのに自然が感じられる」「交通の便がよい」「物価が安い」などの理由から地元愛を強めているようだ。「一度単身赴任とかになった方は、ファンになってくれる。食べ物、住みやすさ、空港が近いなど(女性64歳)」といった、住んで分かる快適さが地元愛を高めている。地域ブランディングの重要な要素である「地元愛」が、全国で最も高い福岡。博報堂によると今後は、県民の郷土愛を起点としつつ、それに対する県外からの評価を高めることで、沖縄県のようなブランド強化の可能性があるという。(編集担当:北条かや)