子供の頃、風邪を引いて熱を出すと必ず乳酸菌飲料「ヤクルト」を飲んでいた。家の冷蔵庫には必ずそれが入っており、風邪を引いた時でなくとも飲んでいた記憶もあるのだが、しかし筆者の記憶の中では風邪を引いて頭が少しぼうっとした状態と、「ヤクルト」の甘酸っぱい味が強く結びついている。これだけ多くの飲料商品が発売されているなか、今の子供たちがどの程度「ヤクルト」を飲むのかは分からないが、少なくとも現在30代半ばである筆者が子供の頃には、多くの家庭で「ヤクルト」は飲まれていた。
その「ヤクルト」を提供している株式会社ヤクルト<2267>は23日、アメリカで初となるカリフォルニア州ファウンテンバレー市の工場にて生産を開始し、落成式を実施した。こちらの工場は、日本の工場を除くと世界で24箇所目の工場となる。
この工場は100%子会社のアメリカヤクルト株式会社が所有する工場で、5月16日から乳酸菌飲料「ヤクルト」の生産を開始するとアナウンスされていた。またカリフォルニア州オレンジ郡のファウンテンバレー市に立地しており、2012年6月から着工されていた。 アメリカヤクルト株式会社の13年1月~12月の「ヤクルト」の累計販売実績は、1日平均18万2000本であり、前年比112.6%と大きな成長をみせているという。これまでアメリカ国内では、メキシコの工場で生産された「ヤクルト」が輸入販売されていたが、今後も継続的な成長が見込めるという判断から、商品の安定供給体制の強化のためアメリカでの工場の建設と生産が開始された。
「ヤクルト」は現在、世界の33の国や地域で販売されており、アメリカではカリフォルニア州、テキサス州など6州を中心に販売されるとのこと。しかし治安上の理由などから、訪問販売は行わずに店頭販売のみを行う。
カリフォルニア州ファウンテンバレー市で行われた工場の落成式では、ヤクルトの川端美博副社長が挨拶し、ファウンテンバレー市のボー市長や新美潤ロサンゼルス総領事らとテープカットを行った。(編集担当:滝川幸平)