野田佳彦前総理は2日の自身のかわら版で、総理時代の国会答弁で「尖閣諸島を含め領土、領海で周辺国による不法行為が発生した場合は必要に応じて自衛隊を用いることも含め、毅然として対応すると述べたことがある」と紹介し、自身が総理だった時に魚釣島に香港の活動家が上陸した案件を紹介し、このときは海上保安庁と警察の連携によって対応できたが、「相手が武装していた場合も想定する必要がある」とし、「野党も含め、大いに議論を尽くしていくべき」との考えを示した。
野田前総理は「2012年の終戦記念日に香港の活動家らが尖閣諸島の一つの魚釣島に上陸する事件が発生した」ことを振り返り、「政府は活動家らの上陸を阻止すべく、関係省庁による綿密な対応策をまとめていた。海上保安庁が香港の抗議船に対して領海内に侵入しないように警告。さらに巡視船を使って抗議船の進行方向を遮るなど進路規制や放水活動も実施したが強行突破された」。
「上陸した活動家を入管難民法違反容疑で現行犯逮捕するため、沖縄県警の警察官など約30名を事前に島に上陸させ、待機させた。この体制は2004年の小泉政権の時に中国の活動家が魚釣島に強制上陸し、中国の国旗を掲げ、灯台などを器物損壊したことの反省によるもので、結果として、上陸した7人を含め14人を速やかに現行犯逮捕し、直ちに沖縄本島に移送した」と紹介。
この事件を教訓に「海上保安庁の機能強化のために、海保が海上だけではなく、島に上陸しても活動できるように法改正も行った」としている。国会では現実的対応について法制を含め、どこまで具体的に整備可能かが焦点になる。(編集担当:森高龍二)