スマートフォン(多機能携帯電話)の普及とともに、急成長を遂げたソーシャルゲーム市場だが、一方で収益の変動幅も大きいことから、安定的な収益を見込める事業になるためにはもう少し業界自体の成熟を待たなければいけないという意見もある。そんな中、ソーシャルゲームの大手ディー・エヌ・エー<2432>(DeNA)が3日、個人向けの「遺伝子検査ビジネス」に参入するとの発表を行った。
提供されるサービスの名称は「MYCODE(マイコード)」で、東京大学医科学研究所との共同研究により、信頼性の高い調査結果を提供するとしている。7月下旬よりサービスが開始される予定だ。
こちらの「MYCODE」では、検査結果に基づく病気予防や健康のためのアドバイスコンテンツが提供され、希望者には専門家とのカウンセリングも提供するとしている。さらにはサービスを使用したユーザーに対して、継続的に最新情報を更新していくための体制作りも行われる予定だ。サービスの価格帯は今後発表される。
検査は新しく設立されたDeNAの子会社であるDeNAライフサイエンスが行う。そちらではすでに専門家数十人が採用されており、収集した遺伝子情報は匿名で東京大学医科学研究所に提供され、データーベース作りと活用方法の共同研究が行われるという。
またDeNAは共同研究において、インターネット事業で培ったビックデータ解析技術を提供する以外にも、ゲーミフィケーションを活用したサービス提供なども検討しているとのこと。
DeNAの売り上げの多くは、ソーシャルゲームなどのゲーム事業が占めいている。しかし冒頭でも述べたように、それは必ずしも安定的な収益をもたらすとは限らない。そのためDeNAとしては新たな収益源の確保のため今回「遺伝子検査ビジネス」への参入を決めた模様だ。
ネット企業による「遺伝子検査ビジネス」への参入は、DeNAが初めてではない。検索サイトを運営するヤフー<4689>もまた今年の秋頃から参入するとしている。こうした異業種による「遺伝子検査ビジネス」への参入が吉と出るかどうか、その動向に注目が高まっている。(編集担当:滝川幸平)