5月13日、クラウドネットワークス等は、クラウドソーシングの利用促進・健全利用を目的としたクラウドソーシング協会(所在地:東京都渋谷区)を設立したと発表した。この協会は、2013年に100社を超える企業等の賛同を得て発足したクラウドソーシング協議会が前身。クラウドソーシングの活用により、個人への就労機会の提供と社会全体への発展寄与を目的として設立された。
また、本協会の主要メンバーであるクラウドネットワークスは、これまで対象としてきたWEB・IT分野にとどまらず、製造業・建設業などのリアルなモノづくりの現場と全国のフリーランスをつなぐためのプラットフォーム「メイカーズワークス」を6月2日に公開した。同社は、国内GDPの20%以上を占める製造業・建設業にリーチすることで、プラットフォームの流通規模を数億円と見込んでいる。国内GDPの20%を占める製造業・建設業を含む70業種・16.5万人と言われるクラウドワークスのスケールメリットを活かし製造業・建設業のイノベーション創出を支援するとしている。
WebやITに関連するデザイナーやプログラマーがフリーランスとして仕事をしているという話は耳慣れているが、少し疑問が残る。端的にいうと「収益基盤をどこに求めるのか」また、「人材のクオリティをどのように判断するか」だ。収益基盤に関して言えば、ヘッドハンターのように、企業契約を行い、マージンをとるというビジネスモデルが成り立つ。さらにフリーランスからも手数料を取るのであれば、インターネットショップの出店手数料などのような収益基盤があると想像に難くない。つまりこのプラットフォームを持つ側にとっては非常にメリットがある。物足りない気がしたのは、企業が求めている人材とのプラットフォームに登録する人材のマッチングとクオリティをどのように担保するかという点だ。過去に実績があるフリーランスにとってみれば、実績を出せば、企業側からの信頼も得ることができる。ただ、これからフリーランスで、仕事を考えている人にとって、このプラットフォームがビジネスチャンスとして有効に機能するだろうか。モノやサービスの枠組みを超えたクラウドを利用したビジネスチャンスは今後も出てくるだろう。「クラウドソーシングの活用により、個人への就労機会の提供と社会全体への発展寄与」という目的が近い将来現実になることに期待したい。(編集担当:久保田雄城)