「60代以上がいちばん幸せ」って本当?

2014年06月10日 12:27

 日本人の中でいちばん幸せなのは、60代以上の男女。こんな結果が、カルチュア・コンビニエンス・クラブの調査で明らかになった。一方、働き盛りの20代や40代の幸福感は極端に低い。

 調査は今年5月、全国の18~79歳の男女1525名(Tカード会員)を対象に、Web上で実施。現在の「幸せ」の程度を10点満点で評価してもらった。日本人の幸福感は、平均「6.20点」。男女別では、全世代で女性が男性の「幸せ度」を上回った。

 世代別でみると、10代の幸福感は男女ともに60代と同じくらい高い。平均より幸せを感じやすい「学生」の割合が多いためだろう。これが社会に出る20代になると極端に低下し、30代でやや上昇するものの、40代でまた低下し、50代以降は少しずつ上昇していく。60代を超えると、幸福感は大幅に高くなる傾向があるようだ。世代別の「幸せ度」は、アルファベットの「W」のようなシルエットを描いている。

 この結果だけを見れば、働き盛りの世代で幸福感が低い一方、まだ社会に出ていない若者と、リタイア後の60代以上が「幸せ」ということになる。働くことは、自らの市場価値と常に向き合う営みだ。収入の増減はもちろん、独身・既婚・離別や子供の有無など、ライフコースも様々に分かれていく。他人と自分を比べて「隣の芝生は青い」状態に陥り、幸福感が下がってしまう人もいるだろう。一方、リタイアした高齢世代は「これまでの人生を肯定したい」との思いから、幸福感を高めに回答する傾向があるのかもしれない。

 「年齢」と「幸福感」の関係については、様々な見解がある。昨年7月に内閣府経済社会総合研究所が公表したレポートによると、海外では「幸福度は40代あたりを底辺としてU字型を描く」との研究報告が大半という。一方、日本では「年齢が上がるほど、幸福度は下がる」との報告もある。何をもって幸せとするかは、その人が育った時代の環境にも影響されるだろう。今の若者が高齢になった時、「幸せのものさし」はどうなっているだろうか。(編集担当:北条かや)