日本企業による東南アジアへの進出の加速度が増している。一時期、日本企業の関心は中国に寄せられていたが、日中関係に政治的な緊張が続くなか、新たな海外事業展開の市場として東南アジアに熱い視線が注がれている。特にタイは「アジアのデトロイト」と呼ばれるほどに各国の自動車メーカーが集まっており、日本の自動車メーカーも多く進出をはたしている。しかし、そうして東南アジアに進出しているのは自動車メーカーだけではない。13日に、コンビニエンスストア大手のローソン<2651>がフィリピンにてコンビニ事業に参入するとの発表を行った。
ローソンの発表によれば、現地でスーパーなどを展開する小売り大手のピュアゴールド・プライスクラブ(PPCI、マニラ)と合弁会社を設立し、2014年内に第1号店を出店するとのこと。また20年度までに店舗数を500店舗にまで拡大する目標を掲げている。
ローソンは、ピュアゴールド・プライスクラブが14年5月30日に設立した「PGローソン」に出資する契約を6月12日に締結し、7月に合弁会社となる予定。その「PGローソン」にはピュアゴールド・プライスクラブが70%、ローソンが30%を出資する。ローソンはシンガポール子会社を通じて出資を行う。
ピュアゴールド・プライスクラブは、フィリピンで二番目の売上高を誇る小売り大手企業である。
ローソンはこれまでに、中国やインドネシア、そしてハワイやタイなどの海外国にて事業展開を行っており、今回のフィリピン市場への参入で5ヶ国目となる。5月末の時点でのローソンの店舗数は、国内が1万1867店、海外は495店舗となっている。また今回ローソンが進出を発表したフィリピンでは、ローソン以外にもセブン-イレブン、ファミリーマート<8028>といった大手コンビニエンスも進出をはたしている。
東南アジアに多くの企業が集まりつつあるということは、それだけ新たなビジネスチャンスも生まれやすいということ。今回のローソンの進出もそれを見込んでのことだろう。今後も、こうした日本企業による東南アジアへの進出傾向は強まるものとみられる。(編集担当:滝川幸平)