全額返還求める 事業実施見通し立たない基金

2014年06月18日 17:41

 民主党の前原誠司行財政改革総合調査会長は厚労省が2013年度補正予算に計上した職業訓練事業「短期集中特別訓練事業」をめぐる不正入札問題にからみ、予算の国庫返納を求めてきた問題で、田村憲久厚生労働大臣が衆院決算行政監視委員会で約149億円の予算(基金)のうち、約70億円を国庫に返納すると表明したことを受け、「一定の成果を上げることができたと考えている」との談話を発表した。

 そのうえで「キャリア形成相談業務の入札者がいないなど、事業の実施については見通しが立っていない」とし「引き続き約149億円全額の返還を求めていく」とした。

 前原会長は「問題の本質は消費増税対策と銘打った総額5兆円以上の補正予算でゾンビ復活した基金を、天下り団体で食い物にするという、厚労省の癒着体質である」と厳しく批判。

 また「憲法上の予算単年度主義や財政法の縛りをいとも簡単にすり抜けてしまう基金制度が税金の無駄遣いに拍車をかけている」とし「行革の観点から基金について一定の縛りが必要であると考えており、基金適正化法の立法も含め検討する」考えを発表した。(編集担当:森高龍二)