アイスクリームは国内高級路線が人気で輸入品は減少傾向な訳は?

2014年06月27日 12:51

 今月、ロッテアイスが販売する「ジェラートマイスター」シリーズに、新しい味「ブルーベリー」と「洋梨」が加わった。どちらも果肉や果汁をぜいたくに使って、素材の味を引き出した高級志向のアイスクリームだ。価格は税抜きで240円。秋までの期間限定販売となる。

 高級アイスクリームが依然として好調をキープしているようだ。コンビニ各社でも、価格が200円前後の高級アイスを売れ筋と見て、それぞれにアイテムを揃えている。

 ファミリーマート<8028>は2005年ごろから、ニューヨークの高級食料品店ディーン・アンド・デルーカのアイスを販売。セレブ御用達の高級アイスがコンビニに登場したことで、一気に注目を集めた。現在では同製品の販売を取りやめているが、代わりに12年からはオリジナルブランド「Sweets+」で「ジェラート」を発売。「ジェラート」はロッテアイスとの共同開発によるもので、販売時にはわずか1週間で出荷数100万個を突破したという。

 さらにロッテアイスはセブン&アイ・ホールディングス<3382>とも協力して「セブンゴールド 金のアイス」を製造している。セブン-イレブンなどで13年11月から販売されている「金のアイス」は、順調に売り上げを伸ばし、シリーズ化された。第1弾の「金のアイス 生チョコバー」、第2弾の「金のアイス 濃厚生チョコ バニラ」は2カ月間で合計370万個を売り上げるほどの人気ぶりを示したらしい。14年1月には第3弾として「金のアイス 濃厚生チョコ〈期間限定チョコ〉」も発売され、好評を得たようだ。

 日本アイスクリーム協会の統計を見ると、アイスクリーム類の販売物量、売上高は、03年から12年にかけて、共に上昇し続けており、12年の販売金額は4,181億円に達している。反対に、アイスクリームやシャーベットなどの輸入量は著しく減っており、03年には20,438トンだったのが、12年には9,222トンにまで減少している。アイスクリームの高級志向定着とともに、徐々に国内製品に消費がシフトしていく流れが見てとれるようだ。国内メーカーがこまめに開発する高級アイスの新しいフレーバーが、消費者の心を掴んで離さないことにより、輸入品よりも国内品という消費傾向が生まれているのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)