【今週の振返り】アメリカ雇用統計を通過して342円上昇した週

2014年07月05日 20:09

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7月の声を聞くと日経平均は一段高。アメリカ雇用統計は大幅改善。月が変わればツキも変わる、というだけの話か?

 プラス上位はゴム製品、海運、その他金融、石油・石炭、情報・通信、サービスなど。マイナス下位は鉱業、ガラス・土石、建設、金属製品、パルプ・紙、繊維などだった。

 2日のNYダウは20ドル高で、閑散とした中でも連日の終値史上最高値更新。S&P500も過去最高値だったが、NASDAQ総合指数は0.92ポイント下落した。発表が1日繰り上がった6月のADP雇用レポートは、非農業部門民間就業者数が前月比で28.1万人で5月の17.9万人から大幅増で市場予測の20万人を大きく上回った。雇用統計大幅改善期待が高まり午前中は17000ドルにあと14ドルまで迫る場面もあればマイナスに落ちる場面もある乱高下。アメリカの長期金利が上昇して3日朝方の為替レートはドル円が101円台後半、ユーロ円が139円近辺で、前日よりも円安になっていた。

 日経平均は65.37円高の15435.34円で15400円台を回復して始まるが、始値がこの日の高値になる「寄り天」で、アメリカ株最高値効果は数十分限り。午前9時台はかろうじてプラスを維持したが、上海も香港もマイナスで始まると10時台後半は小幅のマイナスに落ち、前引は15360円だった。

 後場は前日終値近辺で再開するが、午後0時台のうちに15350円を割り込み、1時9分に15324円まで下げる。その後はECB理事会、アメリカの雇用統計発表という海外の重要イベント前の様子見ムードにも支配されて主力株の買いが手控えられ、おおむね15330~15350円の小幅マイナス水準が続く。終値は21.68円安の15348.29円で4日ぶりに反落して一服した。日中値幅は111円。TOPIXは-2.19の1278.59。売買高は19億株、売買代金は1兆7415億円とやや低調だった。

 プラスセクター上位は電気・ガス、鉱業、非鉄金属、水産・農林、食料品、機械など。マイナスセクター下位は石油・石炭、小売、倉庫、保険、ゴム製品、証券などだった。

 3日のNYダウは午後1時までの短縮取引で、92ドル高の17068ドルと史上初めて終値が17000ドルを超えた。NASDAQも28ポイント上昇して反発。ECB理事会は史上最低の政策金利0.15%を据え置き、記者会見でドラギ総裁は必要なら量的緩和政策をとる用意があると言及した。6月のアメリカの雇用統計は、非農業部門雇用者数が5月から28.8万人増加、失業率は0.2ポイント低下して6.1%。市場予測を上回って大幅に改善し、NY市場もNASDAQも全面高。しかしイエレンFRB議長がいつも気にする「雇用の質」は平均時給の伸び率が前年比2.0%で5月から0.1ポイント低下し、労働参加率は5月と同じ62.8%と依然低水準でフルタイム雇用は減った。だがそれが金利上昇懸念、インフレ懸念を冷ますという見方もあった。アメリカの長期金利は上昇し、4日朝方の為替レートはドル円は102円台前半、ユーロ円は139円近辺で、ドル高・円安が進んでいた。

 日経平均は142.08円高の15490.37円と15500円に接近して始まる。先物は15500円台にタッチしTOPIXは1280台を回復した。前日と同じ「寄り天」だが下落幅は小さく9時台は15442円、10時台は15420円止まり。とはいえ、プラス圏でも梅雨空のように上値はどんより重い。上海はマイナス、香港はプラスで始まるが15440円近辺で小動きを続け、前引は15440円だった。

 後場も15430~15440円台の値動きが続く。アメリカは独立記念日休暇に入って海外投資家の売買が細り、為替は動かず上押しできる材料も見当たらず、薄商いで変化の乏しい相場になる。2時台は15420円台まで下げたが、大引け間際に上昇し終値は88.84円高の15437.13円。4勝1敗、前週末6月27日終値から342.13円上昇して今週の取引を終えた。日中値幅は70円と小さかった。TOPIXは+6.65の1285.24。売買高は19億株、売買代金は1兆6628億円だった。

 プラス上位は非鉄金属、鉄鋼、空運、精密機器、ガラス・土石、パルプ・紙など。マイナスは鉱業、保険、石油・石炭、電気・ガス、建設、その他製造だった。(編集担当:寺尾淳)