【日経平均】様子見ムードで小幅マイナスが続き21円安

2014年07月03日 20:18

 2日のNYダウは20ドル高で、閑散とした中でも連日の終値史上最高値更新。S&P500も過去最高値だったが、フェイスブックが2.37%下落するなどNASDAQ総合指数は0.92ポイント下落した。発表が1日繰り上がった6月のADP雇用レポートは、非農業部門民間就業者数が前月比で28.1万人で5月の17.9万人から大幅増で市場予測の20万人を大きく上回った。雇用統計大幅改善期待が高まり午前中は17000ドルにあと14ドルまで迫る場面もあればマイナスに落ちる場面もある乱高下。イエレンFRB議長の講演内容には反応薄だった。IBMは1.09%上昇、ファイザーは0.96%上昇。ドイツ証券の投資判断引き上げでバンク・オブ・アメリカは1.60%上昇したが、JPモルガン・チェースはダイモンCEOが喉頭がんを公表して1.04%下落。お大事に。アメリカの長期金利が上昇して3日朝方の為替レートはドル円が101円台後半、ユーロ円が139円近辺で、前日よりも円安になっていた。

 取引時間前に日銀の「生活意識に関するアンケート調査」の結果が発表された。1年後の物価について「上がる」が前回3月調査から0.7ポイント上昇して80.6%で、上昇率の平均値は4.2%だった。CME先物清算値は15410円。日経平均は65.37円高の15435.34円で15400円台を回復して始まるが、始値がこの日の高値になる「寄り天」で、アメリカ株最高値効果は数十分限り。午前9時台はかろうじてプラスを維持したが、上海も香港もマイナスで始まると10時台後半は小幅のマイナスに落ち、前引は15360円だった。

 後場は前日終値近辺で再開するが、午後0時台のうちに15350円を割り込み、1時9分に15324円まで下げる。その後はECB理事会、アメリカの雇用統計発表という海外の重要イベント前の様子見ムードにも支配されて主力株の買いが手控えられ、おおむね15330~15350円の小幅マイナス水準が続く。終値は21.68円安の15348.29円で4日ぶりに反落して一服した。日中値幅は111円。TOPIXは-2.19の1278.59。売買高は19億株、売買代金は1兆7415億円とやや低調だった。

 値上がりは705銘柄、値下がりは954銘柄で全体の52%。12業種が上昇、21業種が下落。プラスセクター上位は電気・ガス、鉱業、非鉄金属、水産・農林、食料品、機械など。マイナスセクター下位は石油・石炭、小売、倉庫、保険、ゴム製品、証券などだった。

 日経平均225種採用銘柄は値上がり86銘柄、値下がり125銘柄。プラス寄与度1位はダイキン<6367>で+2円、2位はアルプス電気<6770>で+1円。マイナス寄与度1位はファナック<6954>で-7円、2位は信越化学<4063>で-2円だった。

 メガバンクはみずほ<8411>2円安、三菱UFJ<8306>6円安、三井住友FG<8316>28円安と揃って下落。野村HD<8604>も5円安だった。1円安でもノンバンクのアイフル<8515>は売買高、売買代金の2冠王が4日連続。自動車大手はトヨタ<7203>は41円安、ホンダ<7267>は20円安だったが富士重工<7270>は25円高、マツダ<7261>は2円高とまちまち。電機大手は日立<6501>は4円高、パナソニック<6752>は8円高、NEC<6701>は4円高で売買高6位、売買代金13位に入ったが、ソニー<6758>は25円安だった。

 アルパイン<6816>はメリルリンチがレーティングを引き上げて107円高で値上がり率10位、パイオニア<6773>は16円高で同13位、クラリオン<6796>は売買高10位で14円高と車載情報機器関連が再びテーマ物色されていた。日本電産<6594>は211円高で年初来高値更新。ゴールドマンサックスが「ストロングバイ」を継続して売買代金8位と買われていた。

 NY金先物市場が4日続伸し、ロンドンLMEのニッケル価格も続伸という状況を受けて住友金属鉱山<5713>は25円高で年初来高値更新。大平洋金属<5541>も22円高で年初来高値を更新し、鉱業セクターは業種別騰落率2位に入っていた。明治HD<2269>は、プロバイオティクスヨーグルト「R-1」の生産能力増強、7月の新製品発売を発表し70円高で年初来高値更新。免疫力が向上して風邪やインフルエンザや花粉症、さらにはがんまで予防できるという話がひろがってヒットを飛ばした商品。任天堂<7974>は260円高で4日続伸。ニンテンドー3DSが「妖怪ウオッチ」効果で販売が上向きという。