火災保険に続き、自動車保険も基準引き上げ

2014年07月08日 09:10

 損害保険料率算出機構は今月2日に、災保険の保険料の基準となる「参考純率」を平均3.5%引き上げるとの発表を行ったが、4日、今度は自動車保険の保険料の基礎となる「参考純率」を平均で0.7%引き上げるとの発表を行った。

 「参考純率」を引き上げる背景として損害保険料率算出機構は、車の平均修理費が近年増加傾向にあることや、消費税増税の影響などを挙げている。しかし2日に発表された火災保険の「参考純率」の引き上げが平均3.5%であるのに対し、損害保支払件数自体は減少していることなどから、自動車保険の引き上げ幅は0.7%と小幅であった。各損保会社は今回引き上げられた「参考純率」をもとに、来年秋以降に保険料の値上げを行うか判断する。

 こうして自動車保険の「参考純率」が引き上げられるのは、2009年以来5年ぶりのこととなる。車両保険の保険金支払額は減少しているものの、対物物証が増加しているため、全体の率の引き上げが行われた。

 また年齢別の「参考基準」も変更されており、事故率の高い29歳以下と70歳以上などが引き上がる。普通小型車の標準的なモデルの場合、29歳以下は22.5%、70歳以上は27.2%と大きく「参考基準」が引き上がる。今後各保険会社はこの「参考純率」に人件費などの経費を加えて値上げ幅を決定するが、その結果、今の平均的な自動車保険料が7万円程度であるのに対し、2000円程度値上がりするのではないかとみられている。

 これまで大手損保会社の自動車保険料は、09年に損害保険料率算出機構によって示された前の「参考純率」にもとづき、毎年のように値上げが行われてきていた。今回引き上げられた新しい「参考純率」により、さらに自動車保険料の値上げが続くとなれば、消費税増税、そして2日発表された火災保険の「参考純率」の引き上げなどとともに、家計を圧迫させることは想像に難くない。

 また現在、自動車業界では「若者の自動車離れ」が深刻な問題とされているが、今回の自動車保険の「参考純率」引き上げが、この問題の深刻化を促さないか不安視する声も挙がっている。(編集担当:滝川幸平)