日本百貨店協会が公表した6月の百貨店売上高は、前年同月比-4.1%の4884億円あまりとなった。前年を下回るのは3ヶ月連続。昨年6月は猛暑で夏物商戦が盛り上がったが、今年は全国的に大雨などの影響で客足が伸び悩んだ。前年より土曜日が1日少なかったことも、売上の減少につながったようだ。
6月の売上高は落ち込んだものの、一昨年の同月と比べれば1.6%のプラス。また、1~6月の累計では前年同月比2.2%のプラスと、3期連続で前年を上回った。増え続ける訪日外国人客の影響もあり、都市部百貨店の売上は好調だ。その結果、全体としては回復基調にある。
ただ、都市部と地方の百貨店では、回復ペースにかなりの開きが出ている。全国10都市の百貨店は前年同月比-3.6%だったのに対し、地方百貨店は-6.6%。地方は5月と比べてもマイナス幅が拡大しており、景気回復による高額消費や、訪日外国人の増加で盛り上がる都市部とは差が出ている。
その他6月の特徴としては、東京が大雨などの影響から前年同月比-4.1%だったのに対し、大阪(-2.6%)や神戸(-2.5%)、名古屋、福岡(共に-2.2%)など、名古屋以西の百貨店が好調だった。東京地区では父の日(6月15日)商戦前の土日に豪雨が重なり、苦戦を強いられたようだ。
品目別では、売上の3割強を占める主力の衣料品が振るわなかった。昨年6月は猛暑で夏物商戦が好調(前年比10.5%)だったが、今年は同-6.4%。ブランドバッグなど「身のまわり品」も-5.3%と伸び悩んだ。一方、消費増税前のまとめ買いの反動から、5月に前年同月比-23.2%だった「美術・宝飾・貴金属」は、6月には-10.5%と減少幅が縮小している。
訪日外国人客については、中国や台湾、タイやシンガポールなどを中心に、引き続き好調だった。訪日外国人客による売上高は前年同月比39.4%のプラスとなり、売上高は6月として過去最高の40億円を記録している。(編集担当:北条かや)