個人消費の基調判断、5ヶ月ぶりに上方修正

2014年06月24日 09:07

 5ヶ月ぶりに、政府は個人消費の基調判断を上方修正した。消費税増税前の駆け込み需要に伴う反動減の影響を受け、各業界ともに業績が伸び悩んでいるなか、そうした状況に緩やかな回復傾向が表れ始めたようだ。

 20日、内閣府は2014年6月の月例経済報告を発表。そこで国内景気については5月と同様に「緩やかな回復基調が続いているが、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きもみられる」と2ヶ月連続で据え置いたものの、個人消費については、5月の「消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きとなっている」から、「引き続き弱めとなっているが、一部に持ち直しの動きもみられる」と5ヶ月ぶりに上方修正した。

 そのほか、輸入に関しては、5月の「横ばいとなっている」から「このところ弱含んでいる」と下方修正。これで3ヶ月連続での下方修正となる。また国内企業物価の判断に関しては、5月の「横ばいとなっている」から「このところ緩やかに上昇している」と表現に変更を加えた。

 こうして5ヶ月ぶりの上方修正となった個人消費の基調判断だが、それには百貨店の売上の持ち直しや、旅行や外食などが堅調に推移したことが寄与したとみられる。その結果、「消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きとなっている」から、「引き続き弱めとなっているが、一部に持ち直しの動きもみられる」に上方修正された。また設備投資に関しても、企業収益が改善されるのに伴い増加が続いている。

 そして政府は今後の経済の先行きについて、「当面、駆け込み需要の反動により弱さが残るものの、次第にその影響が薄れる」との判断を示している。その判断理由としては、海外景気の下振れなどを挙げている。

 月例報告書とは景気に関する政府の公式見解であり、毎月、内閣府によって作成される。その基調判断で用いられる「緩やかに回復している」などの表現から、現状の景気に対して政府がどういった見解を持っているのかを知ることができる。(編集担当:滝川幸平)