LINEの「公式アカウント」からのお知らせ。Facebookの「ファンページ」からの発信。これらはいずれも企業におけるSNS広告利用の例である。このほど企業を対象としたSNS活用実態調査がNTTコムリサーチによって行われた。
2014年時点で、企業でもっとも活用率の高いSNSは、Facebookで76.8%、ついでTwitter(59.2%)、ブログ(50.7%)、YouTube(46.9%)、LINE(34.8%)、Google+(32.9%)、ミクシィ(29%)となった。このうちミクシィとブログを除いたSNSの活用率は2012年から増加の一途をたどっており、とくにLINE、Google+が昨年に比べ上昇。いずれも30%を超えた。FacebookとTwitterは昨年とほぼ横ばい。
SNS活用目的では、「企業全体のブランディング」「広報活動」「キャンペーン利用」が多い。とくにLINEは活用目的が幅広いのが特徴的。「特定製品やサービスのブランディング」「顧客サポート」「広報活動」「リアル店舗への集客等O2O関連の施策強化」等の目的で利用している企業が昨年に比べ上昇している。
具体的な活用方法として、Twitter、Facebookで「自社サイト・自社ブログへのリンク付のつぶやき」が上昇。当該SNSと自社サイトとの連携強化の動きが高まっている。LINEは「ユーザーとの積極的交流」「限定セール・キャンペーン情報を流す」「リアルイベント開催」「自社に関する投稿をモニター」「顧客の声を経営層・意思決定層に報告」「アンケート、商品開発のための意見を顧客から募集」といった施策がいずれも上昇している。
これらの施策に対する具体的な効果は、「自社サイト・ブログへのアクセス数増」が最も多く66.2%の企業が実感を得られていると回答した。ほかにも、「検索エンジンでの自社サイトの順位向上」が48.2%、「新規顧客数増」50.7%、「既存顧客リピート向上」45.4%、「ネット上での自社の評判向上」46.4%、「顧客満足度向上」49.5%、「商品開発力向上」36.8%となった。いずれの項目も、ここ3年間毎年上昇している。
SNSはもはや個人間のやりとりツールに留まらない。エンドユーザーがほっこりとツイートを更新しているその1ビット隣では、膨大なユーザー数に目を付けた企業が囲い込みや販促、商品開発をめざし熾烈な争いを続けているのである。企業側と一般ユーザーをうまくリンクさせて更なる隆盛を極めるか、それとも広告にうんざりしたユーザー離れによる衰退をたどるか、今後のSNSの運命は。(編集担当:堺不二子)