インターネットやソーシャルメディアが浸透し、旅行の申し込み方法や情報収集、情報発信の在り方は、ICTの進化とともに、早いスピードで様変わりをしている。また、女性は旅行への関心が高く、2014年5月末に株式会社JTB総合研究所が実施した「女性の時間の使い方と旅行に関する調査」の中でも、約6割の女性が「自分が旅行の決定権を握る」と考えていることが明らかとなったという。
そこで、同社は今回、同調査の中から最近の女性たちは、どのように情報収集を行い、どのように旅行を購入しているのかをピックアップし、「女性の旅行と情報収集についての調査」としてまとめた。 調査実施期間は2014 年 5月7日~8日、調査対象は過去3年以内に宿泊を伴う国内旅行、または海外旅行へ行ったことがある首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)、中京圏(愛知、三重、岐阜)、関西圏(京都、大阪、兵庫、奈良)在住 の女性、20歳~64歳合計2060人。
まず、旅行に行きたくなるきっかけとなることについて質問したところ、1位「友人や家族との会話(51.1%)」、2位「旅行会社のパンフレット(42.0%)」、3位「テレビ番組(38.8%)」と続いた。旅行会社のパンフレットは駅や街中で見かけることが多く、何気なく手にとってみることが旅行のきっかけにもなっているよう。テレビ番組については、自分から積極的に情報を取りにいかなくても、ふとした瞬間に目に入った映像が旅行に誘う効果があるのだと考えられるという。
普段よく一緒に出かける人は、全体では「配偶者(54.3%)」「子供(34.5%)」が高くなった。また、年代別では、20代では学校・学生時代の友人(43.2%)や親(41.0%)と一緒に出掛けることが多い結果となった。また、年齢が高くなるにつれ、近所の友人や趣味を通じた友人なども高くなる傾向が見られる。子供が独立し、夫婦のみ、あるいは単身の世帯の割合も増加することから、世帯外との繋がりが増えることが背景にあると考えられる。
国内旅行と海外旅行、それぞれに対し、行ってみたい旅行について聞いたところ、共に「今までに行ったことのないところに行きたい(国内 69.1%、海外 63.3%)」が一番多い結果となった。一方で「気に入ったところに何回も行きたい」という人も 3 割以上の回答があり、特に海外旅行でその傾向が強くみられました。続いて国内旅行では「温泉めぐり」や「食べ歩き」、海外旅行では「世界遺産めぐり」も高くなっている。
また若い世代ほど「食べ歩き旅行」が高くなり、特に若い女性にとって「食べ歩き」は旅行の主な目的の一つとなっていることがわかる。また「豪華な旅行がしたい」は 40 代(海外 23.3%)、「パワースポットめぐりがしたい」は20代(国内 22.6%)で高くなっている。また、「その時期ならではの特別な観光」は比較的年代が上がるほど、行ってみたいという回答が高くなる傾向がみられた。
また、ソーシャルメディア(Facebook、Twitter など)で自分の体験を「発信したい」から出かけたことがあるか、という質問に対しては、20代の 11.2%が「経験がある」と回答しており、SNS が旅行のきっかけとなることも少なくないようだ。
そして、旅行のパッケージツアーや宿泊施設を探す手段としては、インターネットが圧倒的に高く、国内旅行では 69.9%、海外旅行では 57.0%となった。スマートフォンやタブレットを持ち歩く人も増え、ちょっとした空き時間にもインターネットを利用して探すことも日常的に行われているのだと考えられる。しかし、20代に関しては、30代、40代よりパンフレットで探す割合が高いという。
この回答で、印象的なのは20代の 11.2%がソーシャルメディアで自分の体験を「発信したい」から出かけたことがあると答えたこと。旅行に出かける動機がインターネットでの情報発信とは少し変わっているが、これも時代なのだろう。(編集担当:慶尾六郎)