これまでにも何度も日本企業による東南アジア地域への参入のニュースは報じられてきたが、今回は大手携帯会社がミャンマーに参入することとなった。16日、KDDI<9433>と住友商事<8053>は、共同でミャンマーの通信事業に参入するとの発表を行った。
KDDIと住友商事は2013年12月に、ミュンマーの情報通信省傘下の郵電公社(MTP)との提携パートナーの独占交渉権を獲得し、その後7ヶ月かけてパートナーシップ体制を確立し、同日MPTと共同事業運営契約を締結した。今後KDDIと住友商事は10年かけて総額2000億円を投資し、今年の秋までに新規参入し先行する外資系事業者に対抗したい考えだ。
KDDIと住友商事が共同で出資する会社は「KDDI・サミット・グローバル・ミャンマー(KSGM)」で、本社はヤンゴン市に置かれる。出資比率はKDDIが50.1%で、住商が49.9%となっている。共同出資会社の社長にはKDDIの長島孝志理事が就任。こうしてミャンマーの携帯市場に日本企業が進出するのは、今回が初めてのこととなる。
今年の6月、KDDIと住友商事は共同で現地に事業会社を設立した。MPTと提携し、基地局の設置など携帯通信網の改善、また都市部から地方へのネットワークの充実などを推し進めていく。そのほか、マーケティングなどの販売面や設備投資、顧客サポートなども行っていく予定で、それらを含む総合的な高品質サービスで顧客獲得を狙うとしている。
サービス領域としては日本と同じように、携帯電話を主力としつつ固定事業も展開する。セキュリティや金融、教育、医療といった分野でコンテンツサービスも提供する予定だ。第3四半期には、免許取得を巡って争ったノルウェーの通信業者数社が参入してくる予定だが、KDDIはそれら事業者との競争に打ち勝ち、シェアトップを獲得するとしている。
13年のミャンマーの人口は約6493万人で、携帯電話の普及率は10.5%にとどまっている。ミャンマー政府はこの普及率を16年までに80%にまで引き上げるとの目標を掲げており、市場の拡大が予想されている。(編集担当:滝川幸平)